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県議選まで4カ月

2010年12月10日

 ∞ 候補者擁立 各党佳境
 民主県連 国政「逆風」影響
 自民県連 足元固めに躍起

 来年4月10日の統一地方選前半戦の県議選(定数44)まで4カ月。2007年の前回選挙以降、知事も政権も交代し、県政界は様変わりした。国政与党として挑む民主と、迎え撃つ県議会最大会派の自民の攻防を軸に、各党の候補者擁立は佳境を迎えている。(中野龍三、笹円香、棟形祐水)

 ◇ 公認はまだ4人 

 「今の状況は何だ。しっかりしてくれ」。11月に山形市であった民主党県連の政治資金パーティー。統一地方選での協力を呼びかけた党本部の岡田克也幹事長に、支持者が詰め寄った。国政への逆風が、県議選の各選挙区に「1人以上」の候補擁立を目指す県連にも吹いているからだ。

 県連は昨夏の衆院選で躍進したものの、今年7月の参院選で敗北。「風に左右されない強固な組織作り」という課題を突き付けられている。昨年1月の知事選で吉村美栄子知事を支援した県政与党ながら現在2議席しかない県議会の勢力拡大は、その意味でも県連にとって不可欠だ。

 だが党本部への公認申請の当面の締め切りまで1カ月となっても、公認候補はまだ全19選挙区中4選挙区の4人。いずれも現職や議員経験者だ。菅内閣の支持率低迷に、「民主党」の看板が足かせになりかねない状況も生じている。ある民主市議は「世の中を変えようと地域に訴えてきたのは地方議員。なのに国政のごたごたで苦しい立場に追い込まれている」と嘆く。

 県連は県内の課題に対する県版マニフェストの作成を進めるほか、重複しない選挙区では社民との協力も視野に入れる。武田聡幹事長は「きわめて厳しい状況だが、踏ん張りどころだ」と力を込める。

 ◇ 「全員当選」目標

 一方、県議会で定数の7割以上にあたる32人が所属する最大会派自民党。「4年前と違い、今は野党として攻めの訴えができる。戦いにくいわけではない」と県連の今井栄喜幹事長は意気込む。

 知事選と衆院選で、県政と国政のどちらも野党になったが、県議会での存在感は絶大だ。吉村知事就任後も目立った対立はなく「前知事時代と流れは変わらない。良いものは良いものとして認め、最大会派としての責任を果たすだけだ」(ベテラン県議)と影響力を保持し続けている。

 県連は10月、現職32人のうち引退議員などを除く29人を第1次公認候補に決定。年内にも新顔や元県議らを2次公認する。「全選挙区に公認候補を立て、全員当選」が目標だ。

 ただ、党員の高齢化に伴う党勢衰退に加え、武器だった国政との太いパイプが失われた今、各議員は自らの足元の支持基盤固めに躍起だ。都市部では「民主が候補者を擁立してくるのではないか」と警戒感を隠さない議員がいる一方、別のベテラン県議は「国政の風は地方選挙に関係ない。地道に支持を固めるだけ」と淡々と話す。

 他党も存在感を高めようと候補者擁立を急いでいる。公明は山形市区に新顔を擁立して現有1議席の世代交代を図る。前回選挙で議席を伸ばした共産は現職2人の公認を決定し、新顔擁立も模索中だ。議席が半減した社民は現職2人を近く公認決定し、議席死守に全力を挙げる。参院選で躍進したみんなの党も5人程度の擁立を目指している。

 ■ 過去4年の県政界の主な動き

 2007年4月 県議選で自民27、民主1、公明1とそれぞれ議席数を維持。共産は1から2に、社民は半減の2に
      7月 参院山形選挙区で舟山康江氏(民主)が初当選。同区で民主が初めて議席を獲得
   09年1月 知事選で民主、社民、共産などが支援した吉村美栄子氏が、自民の大半が支持した前知事を破り初当選
      8月 衆院選で県内3選挙区のうち民主が2選挙区で勝利。自公が下野し、民主党政権に
   10年7月 参院選山形選挙区で岸宏一氏(自民)が民主新顔らを破り再選

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