政府、与党は10日、「社会保障改革検討本部」(本部長・菅直人首相)を開き、年金、医療など社会保障の安定財源としての消費税を含む税制改革について「来年の半ばまでに成案を得て、国民的な合意を得た上で実現を図る」との基本方針を決めた。近く閣議決定する。
菅首相は検討本部の会合で、社会保障と税制の改革に関し「自民や公明、他党とも胸襟を開いて議論できる場を作っていく」と強調。「幾多の政権でなかなか超えられなかった大きな課題だが、何としても超えていく」と決意を表明した。
政府、与党は参院選での民主党敗北をもたらした消費税議論を再び表舞台に上げ、野党に協力を求めるが、菅内閣の支持率が低下している中で、与野党協議がスムーズにスタートできるか不透明だ。
基本方針では、少子高齢化が進む中で国民の安心を実現するには「社会保障の機能強化」と「財政健全化」を同時に達成することが不可欠だと強調。双方を同時に達成する税制改革と社会保障の制度改革を一体的に進める。
一体的な改革を実現するためには国民の理解と協力が必要だとして「超党派による常設の会議」の設置などを提起。この日報告書を提出した政府の有識者検討会は、協議の場として、与野党議員と有識者からなる「社会保障諮問会議」(仮称)の創設を提案している。
税と社会保障の共通番号制度については、国民の理解を得ながら推進することが重要とし、来年1月に基本方針を取りまとめ、来秋にも関連法案を国会に提出する方針を確認した。
検討本部は、野田佳彦財務相、細川律夫厚生労働相ら関係閣僚のほか与党幹部らが参加し、10月に設置された。
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