「まるで、少し前の自民党みたいだな」。新聞の政治記事を繰っては、自民党県議が苦笑する。最近の民主党政権のことだ。
確かにそうだ。▽閣僚の相次ぐ失言▽やることなすことが裏目▽20%台に低迷する内閣支持率--など。レームダック(死に体)となった自民党政権末期をほうふつとさせる。
そして「選挙戦での風当たりもだ」というのは当の民主党県議。「ものすごいよ」とため息をつく。「あいさつ回り先で『民主党のことは言わず、自分のことを』とアドバイスされるんだから」。かつての「自民隠し」ならぬ、民主隠しの勧めだ。政権交代した昨年8月の衆院選、当時の追い風は遠い昔のことのようだ。
県議選では全16選挙区で公認・推薦候補擁立し、県議会第1党を目指す民主。向かい風の中、どう戦うのか。地域活動の真価が問われる。【阿部義正】
〔長崎版〕
毎日新聞 2010年12月11日 地方版