HOMEコラム|特集|連載地軸
アクリートくらぶガイドアクリートくらぶログイン
子規の一日一句愛媛の天気Yahoo!

特集地軸2010年12月12日(日)付 愛媛新聞

今年の漢字

 「今年の漢字」の予想は当たらなかった。というより、思いつかなかった▲

 「新」という字で締めくくられた昨年とは様変わり。「何か変わるかも」と政権交代に寄せた期待もしぼみ、国会は非生産的な非難合戦に終始。停滞する政治状況と国民感情をあえて1字で表すなら「酷」あるいは「虚」か▲
 おととい発表された2010年を表す漢字は「暑」。なるほどこのところの寒さで忘れていたが、今夏の平均気温は統計史上最高を記録した。この先、とにかく暑かった一年として思い出されるのだろう▲
 熱中症による搬送が相次ぎ、冷房設備のない世帯などが犠牲になった。高齢者や子どものいる家庭、学校現場は予防策に追われた。影響は農作物にも。酷暑は、野菜価格の高騰やコメの品質低下を招いた▲
 何事も功罪併せ持つ。家電製品や清涼飲料、熱中症対策グッズなどの売れ行きが好調。台風発生の少なさは強い太平洋高気圧のおかげらしい。蚊の活動も鈍く、刺される機会が減ったのでは。そして秋の紅葉は例年になく色鮮やかだった▲
 菅直人首相が選んだ漢字は「行」。有言実行内閣の実現へ、なお修行中という。官邸にこもって念じていれば事態を打開できるとは思えない。いや、何もしない方が支持率の上がる内閣でもあった。修行の功罪がどうあれ、あおりを食うのは国民。首相は肝に銘じてほしい。

ロード中 関連記事を取得中...
   
Copyright(c) The Ehime Shimbun Co.,Ltd. All rights reserved.
掲載している記事、写真などを許可なく転載、複製などに利用することはできません。
プライバシーポリシー著作権・リンク
愛媛新聞社のウェブサイトについてのご意見は、氏名・連絡先を明記のうえ、愛媛新聞社へ。