【ウィーン樋口直樹】コソボ議会で12日、08年にセルビアから独立して以来初の総選挙(120議席)が行われた。ロイター通信によると、出口調査の結果、サチ首相率いる与党、コソボ民主党が支持率約31%でトップ。首相は同夜、「勝利は我らのものだ」と勝利宣言した。選挙前にサチ内閣から離脱した第2党、コソボ民主同盟は同25%で2位につけた。
欧州連合(EU)や米国は、今回の総選挙を民主化の成熟度を測る試金石と位置付けてきた。中央選管は「成功だった」と話しているが、コソボの少数派セルビア系住民が集住する北部ミトロビツァでは、セルビア側の指示で多数の住民が投票をボイコットした。
今年9月、コソボ民主同盟の党首を兼ねていたセイディウ大統領が、兼任を違憲とする憲法裁判所の判決を受けて辞任。同党も連立を解消し、内閣不信任案の可決で総選挙の前倒し実施が決まった。
毎日新聞 2010年12月13日 11時20分(最終更新 12月13日 12時03分)