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【海老蔵さん殴打事件】なぜ團十郎家は“特別”なのか (1/2ページ)
このニュースのトピックス:海老蔵さん殴打事件
歌舞伎俳優、市川海老蔵さん(33)が殴られ、重傷を負った事件は、世間の強い関心を集めた。歌舞伎界の枠を超えた知名度は、海老蔵さんのスター性もさることながら、江戸劇界を代表する、市川團十郎家の跡取りであることも大きく影響している。では市川團十郎家とは、どのような家なのか。(飯塚友子)
市川團十郎家は代々、「江戸随市川(ずいいちかわ)」とまでたたえられた江戸劇界の名家。歌舞伎界に市川姓が多い中、「市川宗家」と呼ばれるのも、團十郎家が特別な存在であることを示している。
当代團十郎さん(64)は十二代目だが、歴史をひもとくと、元禄時代の初代團十郎(1660〜1704年)は、扮装(ふんそう)も演技も荒々しい江戸歌舞伎の特色である「荒事(あらごと)」を創始。歌舞伎の特徴である隈取(くまど)りを工夫した功労者でもある。上方でやわらかみのある「和事(わごと)」を大成した坂田藤十郎(1647〜1709年)と並び称された名優で、千葉・成田不動を深く信仰したことから、現在も團十郎家の屋号は「成田屋」だ。幼名は海老蔵。
人気俳優を多数輩出した家系だが、功績があったのが七代目(1791〜1859年)。「助六」「暫(しばらく)」など代々の家の芸18種を整理し、「歌舞伎十八番」を制定。一般に得意とする物事を「十八番(おはこ)」というが、これは團十郎家がお家芸である「歌舞伎十八番」の台本を箱に入れ大切に保管したことから生まれた用語だ。