*デバイスが日本語で喋りまくります。
ユーノ・スクライアはふと呟いた、いつもの五人娘と談笑する中でポツリと。
「そう言えば、レイジングハートはなのはの所有物になってるね。別にいいけど」
「え?」
休日の月村邸での和やかなお茶会の雰囲気は、その一言で変化。高町なのはは固まり、フェイト・テスタロッサは目をパチパチさせて戸惑い、月村すずかはニコニコと笑い、アリサ・バニングスと八神はやては目をキュピーンと光らせた。
当の赤い球レイジングハートはチカチカと表面を光らせて、ユーノの呟きに答える。
【何を今更。私をうまく使ってくれなかったのはユーノでしょう、相性がいいのはマスターです】
言うなれば、私が一番レイジングハートをうまく使えるんだ!
その台詞は似合いすぎる、砲撃的に。しかも後年ファンネルっぽい姿になるのだから。
それもそうかと納得したユーノ、話はこれで終わりかと見えたが金の犬と茶の狸がそうはさせないと面白がるように蒸し返す。
「聞きました奥さん?なのはは人のものを返さないんですって、ひどいわねー(棒読み)」
「まさにナノハズム!お前のものは私のものやな、わかります(棒読み)」
犬と狸のコンビネーションに栗色の猫はにゃー!?とお話、つまりピンポイント砲撃。ディバインバスターがアリサとはやてに直撃した、反論にもやり過ぎだ。小学三年生にして、悪魔の片鱗が見え隠れしている。
紫の猫と金の狼はクリーム色のフェレットによって守られていた、魔法少女のマスコットは伊達じゃない。ユーノは人間だけど、これが狐なら雷撃でバスターを迎え撃っていたかもしれない。
月村邸の一角で爆発音が響いた、咄嗟の事で結界を張る暇がなかった。周囲はまたあの屋敷かと呆れ何事もなかったかのようにスルー、マッド発明家月村忍の名が知れ渡っているためである。さらに言えば修繕するのは頭に鉢巻を付け左目に眼帯、手にゲンノウを持った猫。
大工姿の猫しかも喋る普通の猫、誰かの使い魔ではない決して。
閑話休題、アリサとはやては無事か?リインフォースは言っている、これはギャグだから問題ないと。
「ゲホッ、こらなのは!いきなり何をするのよ」
アリサは手に太刀を持って防いでいる姿が幻視、バーニングアリサが始まりそうだったが始まらない。はやては良いツッコミやーと無傷だった、夜天の主は最強です。
「屋敷の方はトラちゃんが治してくれるからいいとして、実際の所どうなの?なのはちゃん」
すずかの問いになのはは慌ててレイジングハートをユーノに返した。
「ごめんなさいユーノ君!レイジングハートをずっと持ってて、すっかり私のものだと思っていました!」
やはりナノハズムや……と呟く狸は懲りないので狸鍋にしようとする栗色の猫、ユーノが必死に止めたので大事には至らなかった。
「私もレイジングハートはなのはのものだと思っていたんだけど、元はユーノのものだったんだね」
場を纏めるようにフェイトが言えばレイジングハートが答える。
【まあそうですね、小さい頃からユーノの傍にいましたから】
その言葉にピクッと反応する五人娘、ユーノの小さい頃すごく興味があります。満場一致でユーノの過去話を語る方向に、なんでー!とユーノが抗議するが却下された。
「これはレイジングハートが誰のものか話すんじゃなかった!?」
【あれはそう私が起動した時、目の前に居たのは幼い……】
「さらりと語りに入らないでー!?」
ユーノの叫びに合わせるようにトンカンと猫が月村邸を修繕する音が重なった、これは不屈の心によるユーノの過去話。
語られなかったユーノの過去が今、暴かれる!
つづく。
「続かないからねー!うわ、何を……キュー!?」
抗議するフェレットだが黒子達に取り押さえられた、つづく。