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[24943] (ネタ)Muv-Luv Alternative Tiga
Name: オメガ◆b1f32675 ID:6fa76ed0
Date: 2010/12/18 12:54

  この作品は、マブラブオルタネイティブとウルトラマンティガのクロスオーバーの作品です。

 本当は予告のみで連載予定はなかったんですが、何とか時間の都合がついたことが理由で本編を書かせていただきました。

 まだまだ未熟者ですが、楽しんで読んでいただければ幸いです。



[24943]  Episode 1
Name: オメガ◆b1f32675 ID:ae66f944
Date: 2010/12/18 12:59

 それは




 





絶望の闇に包まれた世界で






 


 


光の力を手にして




 






 闇と戦った一人の人間の物語



 


 





 「・・・・ん・・・・ここは・・・・・」

 白銀武が目を覚ますと、そこは一面に闇が広がっていた。

 「あれ・・・俺、何でこんなところに・・・・」

 白銀武は今日の一日を思い出す。 


 確か、いつものように純夏が起こしに来て、それで目が覚めたら隣に変な女が居て、そして学校に行ったらその女と双子の姉ともう一人の女の子が転校してきて、そしてなんか皆を見ていると懐かしくなってきて・・・・・。


 そこまで思い出したとき、武の脳裏にフラッシュバックのようにとある光景が蘇った。




 それは、凄まじい閃光に包まれる一機のロボットの姿




 「・・・・・ぁっ・・・」



 そしてそのロボットに乗っていたパイロットの名前は・・・。

 

 「め・・・・いや・・・・・」

 


それをきっかけに武は次々と思い出していった。




 BETA達が侵略する世界に飛ばされたこと。


 







その世界で出会った自分の友人達にそっくりな人物たちと共にBETAと戦ったこと。









・・・そして最後の桜花作戦で仲間たちを失ったことを。









 「・・・そうだ、思い出した・・・」

 武はそう呟いてうつむいた。今、武の居る場所は上も下も前も後ろも真っ黒な闇に塗り潰されている。その為うつむいて下を見ても、そこには目の前と同じような真っ黒な風景が広がっているだけであった。

 「俺は・・・あの戦いの後・・・あの世界から飛ばされて・・・・元の世界に戻ったはずじゃあ・・・」

 しかし、武の目の前に広がるのは暗闇に包まれた漆黒の空間のみ。間違いなく自分の元々いた世界ではない。ということは・・・・。

 「また、別の世界に来ちまったって事か・・・」

 武は何の感慨もなくそう呟いた。地面に座り込んで目を上に向けても、漆黒の空が広がるのみである。

 「でも、いいか。世界は何とか救えたんだし」

 武は自分に言い聞かせるように呟いた、が、その言葉はどこか空しく聞こえた。
 
 と、突如武の頬に涙が流れた。

 「はは・・・・、何泣いてるんだ?俺・・・。あの世界を、救えたんだぞ?喜ぶ、べきだろ・・・・」

 そう自分に言い聞かせても、涙は止まることはない。そしてその涙に比例するかのように、武の心の中から、徐々にある感情が湧き上がってきた。



 悲しみと


 
 贖罪の感情が。



 「う・・・・ああああ・・・・・」



 武は、ついに膝を折って泣き崩れた。



 彼は、確かに世界を救った。



 しかし、その為に多くの人々を犠牲にした。



 「委員長・・・・彩峰・・・・・たま・・・・・・美琴・・・・・まりもちゃん・・・・・冥夜・・・・・純夏・・・・・」

 武の口から、死んでいった仲間達の名前が零れ落ちる。


 そのたびに、彼の心には、段々と後悔の念が膨らんで入った。




 自分が未来を変えようとしたから彼女達は死ぬことになったのではないか・・・・?

 自分があの世界に行かなければ彼女達は死なずに済んだのではないか・・・?

 自分が居たから・・・。自分が居たせいで・・・・。




 「あああああああああああ~~~~~~!!!!!」




 そう思い至った武はあらん限りに絶叫を上げる。

 そして地面に跪くかのように膝を折り、喉が裂けんばかりに泣き叫んだ。




なにが世界を救った、だ!!!なにが多くの人々を救えた、だ!!!




 結局自分の大切なものは守れなかったじゃないか!!!!




 誰よりも生きていて欲しい人達が救えなかったじゃないか!!!!




 結局、何のために過去を遡った!!!



 
何のためにあの地獄に行った!!!




 さらに絶望を深めただけじゃないか!!!




 武は、絶叫を上げながら泣き続ける。死んでいった人達に贖罪するかのように・・・。




 「・・・力が、無いから・・・・」

 武の口からそのような言葉が零れた。


 
 そうだ、力が無いから・・・。力が無いから彼女たちを犠牲にした・・・。



 ただ、過去を遡るだけじゃだめなんだ・・・・、力が、皆を守れる力が無きゃ、駄目なんだ・・・。



 「力が・・・欲しい・・・・」



 何時の間にか武の口からそのような言葉が出てきた。




 と、其の時




 『・・・力が欲しいか?』




 暗い闇のどこからか声が聞こえた。

 「!?だ、誰だ!!」

 突如聞こえた声に武は弾かれたように辺りを見回す。

 しかし、そこにはただ闇が広がるばかりであった。

 だが、その闇の中から、再び声が聞こえる。

 『そのようなことはどうでもいい。もう一度聞くぞ。



 力が、欲しいか?白銀武』

 

 その声の言葉にしばらく言葉を失っていた武は、しばらくすると返答を返した。

 

 「ああ、欲しいな」

 

 『何故、そう望む・・・』

 

 「俺の・・・、大好きな人達を、・・・守れなかったからだ・・・・、力が無かったせいで・・・」

 

 そう言って武は再び俯いて肩を震わせる。声は、しばらくの間沈黙していたが、やがて武に再び語りかけ始めた。

 

 『もし、力を手に入れたら、何をしたい?』

 

 その質問に武は迷いなく言い切った。

 

 「もう一度あの世界で・・・純夏を、冥夜を、いいや、BETAとの戦いで死んでいった仲間達を救いたい!それだけだ!!」

 

 武の返答を聞いた声はなおも問う。



 『その為に、再びあの地獄を味わう覚悟は、あるか?』



 「・・・ある」



 『力を手に入れた代償を支払う覚悟は、あるか?』



 「・・・・ある!」

 

 武が全ての問いに答えると、声はしばらく沈黙の後、再び口を開いた。


 

 『お前の覚悟は分かった。ならば、お前に与えよう、戦うための力を。そして行くが良い。お前が仲間を失ったあの世界へ』


 


 声が終わると同時に辺り一面がまぶしい光を放った。


 「うっ!?」


 突然の閃光に武は目を押さえるが、やがて光に慣れてきたのでゆっくりと目を開いた。



 と、そこには、巨大な人型の石像が三体立っていた。



 「なっ!?こ、これは!?」



 その石像を見た武は驚きの声を上げた。なぜならその石像の形は、武のよく知っているものだったからである。



 『恐れるな、白銀武』



 武が驚いていると、再びあの声が響いた。



 『この巨人こそお前の求める力を与える存在。さあ、この巨人の前で自身の願いを告げよ。心からの望みを言うがいい』



 声に促された武は、少々躊躇っていたが、やがて意を決して三体の巨人像の前に立った。

 三体の巨人像は、まるでまだ生きているかのようで、今にも動き出しそうであった。

 武は巨人像に向かって、自身の望みを告げ始めた。

 「・・・俺は、前に住んでいた世界から、BETA達が人類達を襲っている世界に、飛ばされた。最初は、自分でも何がなんだか分からなかった・・・」

 「でも、そこで元の世界にいた皆と同じ姿をした人達と共に付き合い、戦っていくうちに、考えるようになったんだ。この世界を、皆を守りたいって・・・・」



  武の脳裏には、仲間達と過ごした思い出が走馬灯のように駆け巡っていた。

 

 「・・・最初の世界では、オルタネイティブ5を止められずに、結局、人類は地球を放棄してしまって、地球に残された俺達はBETAに敗北した。再び過去に遡れたときは少しだけ嬉しかったよ。これで未来を変えられる、地球を救えるって。実際『桜花作戦』は成功、一時的だけど人類は救われた。でも・・・・」

 

 武の瞳から、再び涙が零れ落ちた。

 

 「でも、その代わり俺の仲間達は・・・!皆、死んだ・・・!結局BETAに勝ったといっても、人類の寿命は30年延びたに過ぎない・・・・!!その、三十年の為に、皆は・・・!」

 

 武は涙を流しながら独白した。その目は、涙を流し続けたせいで赤く腫れ上がっている。

 

 「・・・俺は、無力だった・・・!仲間が死んでいくのをただただ見ているしか出来なかった!!俺は、力が欲しい・・・!今度こそ、仲間を、世界を守りぬけるだけの力が!!」

 

 武が叫ぶと、突然武の体が光り輝き、中央の巨人像に吸い込まれていった。

 そして、残り二つの巨人像も、光となって中央の巨人像と一体となった。

 『へ!?ちょっ!な、なにが起こって・・・』

 『白銀武、お前の願いは聞き届けられた。お前は今、光の力を手に入れたのだ』

 『光の力・・・!なら、これは、やっぱり・・・』

 突然の出来事に武は戸惑っていたが、声の言葉に何か確信をしたようであった。

 すると、再び目の前から凄まじい閃光が放たれた。

 『さあ、ゆくがいい白銀武よ、あの世界の、お前の愛した者達の未来を変えるために』

 『へ!?ぬわあああああああああああ!!!』

 三体の巨人像と融合した武は、その光の中に再び吸い込まれたいった。

 





[24943]  Episode 2
Name: オメガ◆b1f32675 ID:6fa76ed0
Date: 2010/12/19 16:38


 「う、う~ん・・・・」



 いつの間にか気を失っていた武は、ゆっくりと目を開けて周囲を見回した。

 そこは、どこかのマンションの屋上であった。起き上がった武は、屋上の上から周囲の風景を見回してみた。

 


 

 そこは、かつて自分が始めて現れた町、柊町であった。ただ、前の世界と違うのは、かつて自分が来たときほど荒涼としていないこと、そしてあちこちの建物から火の手が上がっていること、そして、はるか彼方に巨大なドーム状の建造物が存在することだ。



 「・・・ここは、一体・・・」

 『気が付いたか、白銀武』

 武が呆然と町を眺めていると、突如としてあの暗闇の空間で聞いた声が聞こえた。

 「!お、おい!一体ここはどこなんだ!?本当に俺が前に行った世界なのか!?」

 『間違いはない、この世界はかつてお前が行った世界だ。少々時間を遡らせているがな』

 「時間を・・・、遡らせた?」

 『ああ、今は1999年6月5日、明星作戦開始の2ヶ月前だ。そして、遠くに見えるあの建造物は、横浜ハイブだ』

 「あれが・・・横浜ハイブ・・・・」

 遠くに存在する巨大な建造物を眺めながら、武は手を強く握り締めた。

 そして声はさらに続けた。

 『そしてこの世界のお前が死ぬ日でもあるな』

 「・・・!!」

 その言葉に武は弾かれたように声の聞こえた方向を向く。尤も、そこには何もない空間しか存在しないが・・・。

 『ついでにいうなら、この時期に鑑純夏は脳髄のみにされてBETAに保存されるのだが、な・・・。・・・白銀武、どうする?』

 「どうする、だと・・・?」

 武は声の聞こえた方向を見つめながら、声の問いにそう聞き返した。

 『今、横浜ハイブに向かい、この世界のお前と鑑純夏を救出するか否か、だ・・・。お前の力を使えば横浜ハイブを潰し、二人を救出するのは訳もないだろう。・・・だが・・・』

 「この世界に俺が来る、という事実が無くなる、だろ?」

 武の問い掛けに声は一言も返答しなかった。しかし、武はそれを肯定と受け止めた。



 
 元々武がここに来た原因は、この世界の白銀武を殺された鑑純夏が、自身を因果導体として呼び寄せたことが発端だ。
 
つまり、もしもここで白銀武と鑑純夏を救えば、白銀武がこの世界に来ることも無くなる。尤も、彼自身はこの世界に既にこうして存在しているのだが・・・。




 武はしばらくの間考えていたが、すぐに顔を上げた。その瞳には、固い決意が宿っていた。


 
 「・・・・やるに決まってるだろ!せっかく助けられる命だ!助けなくてどうするんだよ!!それに、俺は既にこうして存在しているし、問題ねえよ」

 『・・・ふっ、了解した。ならば、早速変身しろ』

 「ああ、・・・でもよ、三分間で横浜ハイブ落とせるか?」

 『何、心配はいらん。この世界でなら三時間は変身していられるだろう』

 「さ、三時間!?随分と長いな・・・。つうかそんなに変身していてエネルギーとか大丈夫なのかよ?」

 驚いて問い返した武に対して、声は面白そうに答える。

 『ふ、問題ない。大体テレビでも三分以上戦っていたであろう?一々気にするな・・・』

 「あ~・・・まあ・・・そうだな、うん」

 声の言葉に納得すると、武は懐から光り輝く棒状の物体、スパークレンスを取り出した。

 『一応忠告だが、三時間以上戦った場合は石像に戻るからな、注意しろ』

 「分かってるっての」

 声を聞いた武は、今一度、スパークレンスに目を落とす。

 「はあ・・・まさか手に入れた力ってのがこれ、だなんてな・・・。まあ、BETA共を相手にするには、丁度いいかもな!!」

 武は再び目を前に向け、スパークレンスを空に向けて振り上げた。



 すると、スパークレンスの先端が二つに割れ、そこから凄まじい光が放たれて、武を包み込んだ。





  鑑純夏side

 「ちくしょおおおお!!こっちくんな!!純夏に近寄るんじゃねえよ!!!」

 「もう止めて!!武ちゃん!!」

 武ちゃんは私の声を無視してBETA達を追い払おうとする。でも、BETA達はそれに構わずこっちに向かってきている・・・。



 このままじゃ、このままじゃ武ちゃんは・・・・・。



 「お願い武ちゃん!!!私の事は放っておいて逃げて!!!」

 「馬鹿野郎!!そんなことできるか!!お前は、お前は俺が絶対助けてやる!!!」

 武ちゃんはそう叫んでBETAに向かって棒切れを振って応戦する。


 
 無茶だよ・・・。武ちゃん・・・。



 死んじゃうよ・・・・。



 私のことは良いから、お願いだから逃げて・・・。



 そうこうしているうちに、武ちゃんの持っていた棒切れが折れてしまった。

 それでも武ちゃんは私を守ろうとBETAに立ち塞がる。

 「くそっ!!純夏!!早く逃げろ!!」

 「いやだ!!武ちゃんが死んじゃったら嫌だ!!だから、だから早く逃げて!!」

 「わがままいってんじゃ・・・」

 と、突然私は武ちゃんに突き飛ばされた。驚いて武ちゃんに目を向けると、そこには私に背後から襲い掛かろうとしていたBETAがいた。

 「た、武ちゃん!?」

 「くそっ!!ただで食われてやるかあああああ!!!」

 私から武ちゃんに標的を変えたBETAに向かって武ちゃんは殴りかかる。



 だめ!!逃げて武ちゃん!!死んじゃうよお!!



 私はただ、叫ぶことしか出来なかった。


 

 「武ちゃああああああん!!!!!」








 
 





 其の時













 凄まじい閃光が放たれて、辺りのBETA達が蒸発して行った。

 「ぐあっ・・・な、なんだこの光!?」

 「ま、まぶしい!!」

 あまりの閃光に私達は目を押さえる。





 



『やれやれ、危うく食われるところだったな。ぎりぎりセーフ、だ』









  と、突然そんな声が聞こえたので、私と武ちゃんは目を開いた。













 そこには、まばゆく光り輝く巨人が私達を見つめていた。







 side out





 かつて,3000万年前に栄えていた古代文明に







 その守護神である光の巨人が存在した。







 しかしやがて古代文明は闇によって滅び去り







 巨人は石像となって眠りについた。







 やがて時が経ち、とある古代人の血を引くものが、巨人の光の力を引き継ぎ、人類を襲う闇と戦い抜いた。







 そして今、この世界において、白銀武は光の巨人の力を得た。







 この世界を覆う闇『BETA』と戦うために。







 その巨人の名は








 『もう大丈夫だ、武、純夏』

 「なっ!?あ、あんた俺達の名前を知っているのか!?」

 『ああ、よく知っている。二人とも、助かってよかった』
 
「あ、あなたは一体・・・」






 『俺の名前はティガ。ウルトラマンティガだ』



 二人は巨人をじっと見つめ続ける。



 不思議と二人には恐れがなかった。



 それは、その巨人の眼差しが優しそうだったから。



 『・・・と、BETA共が来たな、ちょっと行って蹴散らしてくるか』

 「な!?あ、あんた一人で大丈夫なのかよ!?」

 この世界の白銀武は若干心配そうに聞く。それはそうだ。このハイブにいるBETAは10万を越える。その中には、この巨人並みに巨大なものもいるのだ。


 だが、巨人、ウルトラマンティガは、自身ありげに、こう返した。


 『大丈夫だ。何しろ




 俺は、ウルトラマンだからな』


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