2010年12月6日0時23分
記者会見場となる土木建設会社に到着した竹原信一市長=5日午後8時47分、鹿児島県阿久根市、溝脇正撮影
解職住民投票を受け、会見する竹原信一氏=5日午後11時9分、鹿児島県阿久根市脇本、溝脇正撮影
解職の賛否を問う住民投票を受け、記者会見する竹原信一氏。右は仙波敏郎氏=5日午後11時15分、鹿児島県阿久根市脇本、溝脇正撮影
市長と市議会の対立が続く鹿児島県阿久根市で5日、竹原信一市長(51)の解職の賛否を問う住民投票が実施され、即日開票の結果、賛成票(7543票)が反対票(7145票)を上回り、解職が成立した。竹原氏は即日失職した。当日有権者数は1万9756人で、投票率は75.63%だった。今後の焦点は、来年1月に予定される出直し市長選に移る。
「期日前投票の票数を確認する」として開票開始は約40分遅れた。開票結果が確定したのは市選管の想定より1時間40分遅い午後11時40分。結果は解職賛成51.35%、反対48.65%の接戦だった。
竹原氏は同日午後11時すぎに同市内で記者会見し、「また次に選挙があります」と敗北宣言。「市民の皆さんが、いろんな体験をする機会として前向きに考えたい」と語った。
リコール委員会側にも笑顔はなく「賛成票は、前回の市長選や署名数を下回った。出直し選挙は厳しい戦いになる」と述べた。
半年近く議会を招集しないまま条例や予算を専決処分で決めた手法、議会との対立が招いた市政の混乱を、市民は否定した。首長と議会の関係を見直す地方自治法改正論議にも影響した「阿久根騒動」は、一つの節目を迎えた。
ただ、竹原氏は来年1月に行われる出直し市長選に立候補する意向をこの日、改めて表明した。解職請求(リコール)運動を進めてきた市民団体「阿久根市長リコール委員会」の監事、西平良将氏(37)も立候補する意向で、騒動は少なくとも年明けまで続く。