「世界的な韓国料理の見本を作りたい」(上)
ロッテホテルの韓国料理店「ムグンファ」
特級ホテルの韓国料理店の老舗、リニューアルに50億ウォン以上を投資し、最上階の38階に移転
一口で食べるのにちょうどよい料理など、世界の料理の表現手法を韓国料理に応用
11月11日、ロッテホテル(ソウル市中区小公洞)38階にある韓国料理店「ムグンファ(むくげ)」に、トルコ大統領の一家が来店した。主要20カ国・地域(G20)首脳会議に出席するため韓国を訪問した大統領一家は、韓国の伝統的な宮中料理を味わうため、同店を訪れた。この日、蒸しウニにまつたけめん、韓牛(韓国伝統の肉牛)ロース焼きなどを味わった一行は、「プルコギ(韓国風すき焼き)やビビンバくらいしか知らなかった韓国料理が、このように多彩でおいしいとは思わなかった。本当に目新しく、世界的な料理だ」と感激していた。
- 尚州韓牛ロース焼きと、それを包む野菜、アワビ豆腐ジョン、蒸しウニ(写真左から)
■創業30年、特級ホテルの韓国料理店
ロッテホテルの韓国料理店「ムグンファ」は、1979年に同ホテル開業と同時に開店した。創業30年を超えた特級ホテルの韓国料理店のうち、一番の老舗だ。一時、収益の悪化により閉店の危機に追い込まれたが、ロッテホテルはこの1年間、リニューアル工事に50億ウォン(約3億6100万円)以上を投資し、ホテル最上階の38階に移転、11月3日にリニューアルオープンした。
これまでソウル市内の特級ホテルでは、韓国料理店は「厄介もの」扱いされていた。調理過程が複雑で、材料費や人件費が多く掛かる一方、訪れる顧客の足は年々減り、中国料理店や日本料理店に隅に追いやられていた。1999年にミレニアム・ソウル・ヒルトンの韓国料理店「水刺(スラ=王の食事)」が閉店したのを皮切りに、2005年には新羅ホテルの「徐羅伐(新羅の古称)」、ウェスティン朝鮮ホテルの「ショブル(都の古称)」などが次々と看板を下ろした。
現在、ソウル市内の特1級ホテル19カ所のうち、韓国料理店があるのはロッテ、ウォーカーヒル、メイフィールドなど4カ所だけだ。一方、西洋料理店は17カ所、日本料理店は16カ所、中国料理店は15カ所にも上る。