【マドリード=林路郎】スペインの有力紙エル・パイスは15日、同国が欧州連合(EU)議長国だった今年前半、EUの対中国武器禁輸措置の解除を図ったが、クリントン米国務長官が在欧の米大使館を総動員して阻止したと報じた。 内部告発サイト「ウィキリークス」から同紙に提供された米国務省の公電をもとに伝えた。
スペインのモラティノス外相(当時)が禁輸解除を目指す方針を表明した直後、クリントン長官はEU加盟国の米大使館に「禁輸解除は太平洋の安保を不安定にする。米国が断固反対する方針を各国に伝えよ」との訓令を出したという。
EUは対中武器禁輸措置を1989年の天安門事件後に発動。中国は無条件解除を求めており、EU内にも対中関係改善のために解除すべきだとの声がある。(2010年12月15日21時01分  読売新聞)
*読売新聞 国際