現代「i30」、韓国人の輸入車志向に大苦戦(下)

■欧州の実利型ハッチバック、韓国市場で経済性を語るには時期尚早

 「ゴルフ」や「308」のような欧州製のハッチバックは、価格が3000万ウォン(約219万円)台と比較的安い上、公認燃費が1リットル当たり17-20キロに上る。従って輸入車の中だけでみると、比較的経済的な車といえる。しかし、韓国国内の競合モデル「i30」と比べると、初期購入費用はほぼ2倍もかかる。もちろん、燃費は同クラスの国産車よりも優れているが、欧州製のハッチバックを5年間乗り続ける場合、国産車に比べて節約できるガソリン代はわずか200万-300万ウォン(約14万6000-21万9000円)にすぎない。

 一方、欧州で「i30」は、「ゴルフ」や「308」よりも10%ほど安いだけで、ほぼ同価格帯で販売されている。従って韓国では、「ゴルフ」や「308」よりも国産競合モデルの方が、コストパフォーマンスがはるかに高いことが分かる。

 ドイツで「i30」(ディーゼル、自動変速機)は2万930ユーロ(約238万円)と、同じような性能のゴルフに比べてわずか12%安いだけだ。しかし、今年9月の西欧市場での販売台数は1万1213台にも上った。

 これについて、現代自の関係者は、「i30は現代自が欧州のハッチバック市場を攻略するために多くの資金を投じて開発した車だ。車の各部分に高級部品を存分に使用するなど、欧州の消費者にも認められる、優れた商品性を誇っている」と説明する。

 一方、「i30」は、韓国では「ゴルフ」に比べて40%以上も安いが、販売台数は「ゴルフ」をはるかに下回る。今年9月の韓国市場では、「ゴルフ」(ディーゼル、3390万-4190万ウォン=約247万-305万円)が490台、「308」(ディーゼル、3190万ウォン=約232万円)が111台売れたのに対し、「i30」(ディーゼル、2087万-2218万ウォン=約152万-161万円)はわずか124台の売れ行きにとどまった。

 単純に価格だけを比較すると、韓国消費者にとっては「i30」のような国産の中小型ハッチバックの価格満足度が高くなって当然だ。「i30」は、欧州では「ゴルフ」や「308」との価格差が大きくないが、韓国ではこれらのほぼ半額で購入することができるためだ。従って、「実利型輸入車」の方が経済性に優れている、とは言いがたい。

 韓国に進出したある欧州自動車メーカーの役員は、「来年7月に韓国とEU(欧州連合)のFTAが発効されれば、さらに安い欧州製の小型車が多く輸入されるようになる。今後3、4年以内に価格面で韓国車と変わらない欧州製の小型車が、韓国市場で販売されるようになる」との見方を示した。

崔元碩(チェ・ウォンソク)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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