ルポ:ルノーで解体されるスズキや現代自の車両(上)

 パリ市内から南西に車で1時間の所にある「テックセンター・ルノー」(以下、TCR)は、ルノーの自動車専門家1万1000人が勤務するフランス最大の自動車研究所だ。ここでは、新車の企画から量産直前の試験生産に至るまで「自動車に関するすべてのこと」が行われている。敷地面積は150万平方メートルで、サッカー場の約200倍を誇る。

■日本車に対抗するため、研究人材を集めシステム改良

 研究所のイザベル・ルフェーブル広報担当は「日本車がフランスに押し寄せてきた1980年代半ばには、日本のメーカーの新車開発期間がルノーよりもはるかに短いということが脅威的だった。TCRは、新車開発期間を大幅に短縮し、日本車に対抗するために建てられた」と話す。

 1991年の着工から6年で完成したTCRは、パリ近郊に散らばっていたルノーの自動車開発人材を1カ所に集結させた。ルフェーブル広報担当は「TCRは、新車を出すのに最も重要な三つの段階、すなわち新車の企画、開発、試験生産のための施設を有機的につなぎ合わせた」と説明した。

 まず、一つ目の「新車を企画する建物」では新車のコンセプトを決める。100件近いアイデアを選び出し、これを一つにまとめ上げる作業をする。二つ目は「ハチの巣」と呼ばれる中央研究棟だ。延べ床面積が14万平方メートル(サッカー場の約19倍)、全長180メートル、高さ30メートルの超大型ビルだ。同ビルには実に5000人が勤務する。4階建てのビルに、それぞれインテリア、エクステリア、車体、パワートレーン(エンジンや変速機)の専門家たちが分かれて研究を進めている。三つ目の建物は、開発が終わった車を試験生産する所。熟練工が一つ一つ丁寧に手作業で組み立てる。ある研究員は「工場に持って行く前にあらかじめ組み立てることができるし、開発チームとすぐに連絡を取ることができるため、品質問題を最小限に抑えることができる」と話した。

 TCRが建てられたことで、ルノーの開発競争力は向上した。1993年に発売された第1世代のラグナは開発に56カ月もかかったが、2005年に発売された第3世代のクリオの開発期間はその半分(28カ月)にまで短縮された。

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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