イラン

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ワンワールド。それは、１年間FIXの世界一周航空券である。一年で世界一周するのは時間的にかなり厳しい。しかし、その時間制限が有ってこそ光り輝く何かがある。いわば、ワンワールドで旅をするということは、ある一つの作品を作り上げるのと同じこと。みんなそれぞれの旅がある。これはそんなワンワールドを利用し、どこまでできるかチャレンジした３６５日間の記録である。
ＷＡｉのワンワールド世界一周３６５日の旅の記録＠２００７トップ > イラン
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  • 旅に出たわけ　　2007年10月28日
  • 世界の半分　　2007年10月27日
  • ヤズド　　2007年10月24日
  • マシュハド　イラン抜け改めイラン抜け改め、イラン周遊旅行　　2007年10月22日
  • 続報　　2007年10月21日
  • イラン入国　　2007年10月20日

旅に出たわけ

旅に出たわけ

１０月２１日。僕の旅も、とうとう残すところ３ヶ月を切った。
南米はチリからスタートしたこの旅は、北中米カリブ、ヨーロッパ、アフリカ、中東を抜け、いよいよアジアにさしかかろうとしている。

サマータイムで最大１３時間有った日本との時差も、今は５時間半まで近づいた。
ここ北半球の夜空を見上げ、日本に居る友達と同じ時間帯に月を見ているんだなぁと思うと、母国との距離が縮まったことを実感する。

歩いた国はイランで３２カ国目。滞在した都市は８８都市。立ち寄った町全部含めると、１００都市を超えた。

丸坊主にして出てきた髪も、途中一度切ってもらったにもかかわらず、前髪が目にかかるほど伸びた。

あっという間に過ぎ去った時間。

過ぎ去った景色、人。

しかし、色深く濃縮された日々は、あっという間だったはずなのに、昨日のことが遠い昔の事にも感じる。それでも、見てきた物、話した会話の一語一句まで覚えている。

不思議な感覚。近くて遠い過去。

出発日に飛行機に乗り遅れ、友人と二人で旅立つはずが、一人での旅立ち。
旅の途中で倒れた祖母に見送られ、未知の土地へと向かった。

一人旅は、その後二人になり、三人になり、多いときは１０人を超えた。
また一人に戻ったが、今は途中できた彼女との二人旅に変わった。
代わる代わる入れ替わるパーティーは、いつも旅を盛り上げてくれた。
幸運なことに、行く先々で素晴らしい友達に巡り逢えた。

ラテンの血を持つ人々の大陸から、芸術の歴史深き町を抜け、大自然の残る地を走り抜け、アザーン流れるここ中東へと歩き着いた。

そして、今年３０回目となるフライトで、いよいよアジアへの国境を飛び越える。

着実に旅の終わりが近づいている。

昨日、夢にうなされて目が覚めた。

ふと気付くと、そこは会社の休憩室。

あ、旅終わっちゃったんだっけ…
短かったなぁ…
なんだったんだろう…
ホントに旅してたんだっけかなぁ…
そーいえば携帯持ってなかった。買わなくちゃ。
なんか現実に戻ったみたいで嫌だなぁ。。

帰国してみんなと飲んだ。

本当に終わっちゃったんだ。。

あれ？
俺、インド行ったっけ？
あれれ？
やばい！インド行くの忘れてた！！アジアも行ってないじゃん！？
あ！まだワンワールドの期限残ってるじゃん！？
あれれれれ？？？
間違えて早く帰国しちゃったよ！！！

あぁああああ…

戻らなきゃ！？でも、一度帰ってきちゃって今更！？

あぁあ〜〜、、、
なんで間違えて早く帰ってきちゃったんだろう！？

大事なところ忘れるなんて！！！

いやぁあぁああああああ・・・・・・・


・・・目を見開くと、頭上に洗濯物が干してある。ホテルの部屋だった。

思わず胸をなでおろす。まだ旅は続いていた。

よかった・・・


旅に出てから、こんな夢を５回ほど見た。

まだまだ帰りたくない。いつまでも旅を続けたい・・・

しかし、それは不可能なこと。終末は見えてきている。

何人もの長期旅行者が祖国へと帰っていった。

もうすぐ僕の番。

その日は間違いなくやってくる。

旅に出るまで、日本での生活はそれなりに楽しかった。いや、かなり楽しかった。
人からは、いつも好き勝手やってて楽しそうと言われてた。

でもたぶん、本当はどこか退屈だった。死にそうなくらい。

なにか物足りなさを感じ、悶々と過ごす日々。子供の頃からそうだった。

いつも何かを探してた。
でも、何かを見つけても、先が見えてしまい、そこまでの過程を考えると、つまんない、そう思って飽きてしまった。

学校に行って、窓の外眺めて、何もかも退屈で。
何かが足りない。
そう思ってた。

幸せとは何か

そんなことは、もちろん分からなかった。

適当に高校行って勉強して、大学行って遊んで、就職して。それで？

そんなことを思いながらも、結局そのぬるい部屋はいつも優しくて、扉を開く機会を失わせた。

金が欲しかった。

でもそれは、別にいい暮らしがしたいとか、人より偉くなりたいとか、そんなことはどーでもよくって

ただ新しい何かを探す為に必要だった。

幸運なことに、旅を思いつく少し前、自分にとって幸福な人生とは何かについての答えにたどり着いた。

それは単純なこと。誰でも分かること。

それは、

人生を楽しむということ。

自分にとって、楽しい何かを探すこと。

そして、少しでも多くの人たちを、少しでも楽しませてあげられたら、きっとそれは、自分にとってとても楽しいことで、幸せなことだと思う。

いろんな人達、いろんな人種、文化、できるだけ多くの考え方を理解し、受け入れることができたら、きっと、もっと多くの人を楽しませることができるだろう。そしたらもちろん自分も楽しい。

そんなことを思ってても、

「なんで旅に出るの？」

そう聞かれると、いつも返答に困った。

「何か将来の役に立つわけ？」

当時付き合っていた彼女にも理解してもらうのは難しかった。現実的に考えて、ごもっともな意見だ。結婚とか、子供とか、そういうことを考えると、今更一年間も一銭にもならない海外放浪の旅をするなんて、実生活において、マイナスにはなれど、プラスになるようなことではない。僕らはそういう年代にいるのだ。

でも、もう自分にとって必要なことが分かっちゃったから。
やりたいことが分かっちゃったから。

そしたらやるしかないでしょう。

自分の人間形成の最後の仕上げとして、たくさんのことを吸収したい。
独りよがりかも知れないけど、井の中の蛙じゃいられない。

そして僕は旅に出た。

もっともっと、沢山の知らないことを見て、聞いて、触れて、感じて、知って、もっともっと成長したい。
もうすぐ三十路だけどね（笑

残り３ヶ月を切り、夜行バスでの移動中、そんなことを思い出した。

今後どうなるかなんて分からないけど、旅に出て良かったと心から思う。

さて、いよいよクライマックスだ。

残りの旅も全力で楽しみます！

２７／１０／２００７



世界の半分

世界の半分


【エスファハン】

ヤズドから、５時間。イランのバスはなかなか休憩しない。この日は一度も休憩なし。ボロバスのアテンダントのクソガキに荷物代を請求され、むなぐら掴んでケンカしつつ、尿意に耐えつつ、なんとかエスファハンに到着した。

ここは、イスラム芸術の粋を集めた古くからの建築物が残る都市。
シルクロード交通の要として長い間栄えた町で、一度モンゴルの襲来により廃墟と化したが、その後復興し、多くの美しい建物が建てられ、「エスファハンは世界の半分」と称えられたという。
噂には聞いていたが、たしかに美しい都市だった。
街中には緑が溢れ、モスクなども綺麗。
だけど残念なことに、

「ジャッキーチェン！チャイナ！フィリピン！」

とか言ってきて奇声を発する輩が多く、せっかくの景色が台無し。マジ鬱陶しい。これはエスファハンに限っての話ではないが、どうもイラン人は、中国の映画の影響で、日本人は「アチョー！」とか言って、変な動きをしていると思っている様子。どこの国でも日本人は、チャイナ！とかチョンチンチャン、チャンチョンチン言われるが、ここイランはもっとも酷い。明らかにアジア人なめてます。もちろんいい人もいて、そういう人はほんっと〜にやたらといい人なんだけど、鬱陶しい若造が多すぎて、そういう人たちが霞んでしまって残念だ。
なので、この国の印象は、どれだけいい人に出会えたかで、人によって大きく変わると思う。残念ながら僕らはムカつく奴の方が多かった。

そしてミスったこととしては、先日のマシュハドが素晴らしすぎて、せっかくのエスファハンの建築物の良さが半減してしまったこと。先にエスファハンに来れば、かなり感激したと思うが、イマームレザーを見てしまった後では、少々物足りなさを感じてしまうのは否めない。それでもまぁ、いいところには変わりなしだけど。さらに今日は休日で、バザーなどの店も全部閉まって閑散としていて寂しげなところになっていた。また明日にでも行ってみようと思う。

とりあえず、「世界の半分」の意味が分からん。


イラン全体として思ったことは、とにかく若造がウザいということと、多くの人が政府に不満を抱いているということ。

イスラム教に則した政教一致の方針は、果たして現代社会に沿うものなのだろうか？めったなことは言えないけど、不満を持っている人が多いのは、現地人と話していて感じた。
一日３リットルしかガソリンを使ってはいけないらしく、車社会に暮らすイラン人は大変困っている様子だった。ガソリンは激安なのに。
テヘランなどの都会では、女の子は髪の毛を金髪メッシュに染め（ダサい）、頭を半分くらいスカーフから出して、必死におしゃれをして抵抗している。
エスファハンでは、チャイハネという、チャイを飲みながらシーシャ（水タバコ）を吸う喫茶店のようなところが有名だが、「風紀が乱れる」という理由で、最近ほとんどの店舗が営業できなくなってしまったそうだ。
日本に来たい人がたくさんいるが、なかなかビザも下りないらしい。
いろいろ大変そうなところでした。
懸念されていた治安の方は、退避勧告が出ているところ以外はいたって平和で、夜街を歩いていても心配なし。しかしお堅い行政のせいで、もんもんとしている男が多いようで、女性が一人で旅をするのはなかなか大変な様子。彼女もバス会社の汚いおっさんにいきなり肩を抱かれ、ぶちゅっとチューされて、しっかりとイランの洗礼を受けちゃってました。
有る意味すごい。

そしてATMが全く使えないので、旅行するなら米ドルかユーロを用意しておくのを忘れずに。マシュハドのイマームレザーは本当に素晴らしいので、一生に一度は行きましょう。

２８日、テヘランに戻り、イランを経つ準備をします。


＠＠＠＠＠国境越え最新情報＠＠＠＠＠＠

とりあえず、最近国境を抜けてきたパキスタン人に会った方に会いました。
現地人は通過している模様。旅行者は相変わらず、不明…



写真；
�．ぅ薀鵑任蓮△瓩辰燭某�べないレストランの飯。ホレシュテサブジー。少し美味い1



�◆崟こΔ糧省�」イマーム広場2



�Ｈ�しい装飾のモスク…だが、イマーム・レザーのせいで、見劣り…3



�ご儻�に来ていたアルメニア人4



�ッ鰐咾�と思ってたら、帽子だったｗ5



�Εぅ薀鷽佑函�写真を撮ってくれとしつこい。アジア人は動物と思われているかのよう6



�Г海龍兇鯏呂襪函▲▲襯瓮縫⊃傭篭�7



�┘皀好�の先に十字架が立っている8



��拡大図。ちなみに、アルメニア人は、キリスト教徒9



��ライトアップ10



��夜の橋11



��夜のイマーム広場のモスク12



��夜のイマーム広場
13

ヤズド

【ヤズド】

北東の町マシュハドより、夜行バスで１５時間。南部の町ヤズドに着いた。
ここは古来、ゾロアスター教の聖地として人々を集めていた。今やイスラム教徒の国となったイランにおいて、ゾロアスター教徒はごくごく少数となってしまったが、ここには当時の歴史の跡がしっかりと残っていた。

■鳥葬■
ゾロアスター教では、土・火・水を聖なるものとしていたので、土葬・火葬・水葬は行われなかった。そのため、人の亡骸を鳥に食わせる葬式を行っていた。現在は行われていないが、それが実際に行われていた場所は今も残っており、見物客で賑わっている。
「沈黙の塔」と呼ばれるその場所に行ってみた。
薄暗くなってから行ったので、人もまばらで少々怖かった。
最終的には全く人がいなくなり、本気で何か出そうな雰囲気になり、しかも出口の扉を閉じられかなり恐怖スポットと化した。途中、現地の暴走族二人組みがやってきて、邪魔をしてきてうっとうしかったので、近寄って行って鳥葬が行われていた穴に落としてやろうとしたら、びっくりして逃げていった。

■アタシュカデ■
ここには、A.D４７０年から一度も消されたことがないとされる聖なる炎が燃えている。
しかし、実はイスラム革命の時に消されたという噂がある。
なんか、ガラス越しに、火が燃えていた。
お終い。
とくに雰囲気もなく、イラン３大がっかりスポットというだけはあって、期待通りがっかりさせてくれた。ま、こんなのも有るってことで。

街並みは雰囲気あって個人的には気に入りました。

ただ、銀行含めほとんどの店が、朝と午後３時過ぎからしか営業していないのが難点。


■■■イラン→パキスタン国境付近情報最前線■■■

さて、マシュハドから夜行で１５時間かけて、鳥葬で有名なゾロアスター教徒の聖地だった町ヤズドにやってきてます。ここは例の退避勧告が出ている地域のすぐ近く。しかし、ここ自体はいたって平和です。

さて、新情報。
今日、ここヤズドの宿で日本人の女性に会いました。
彼女の話によると、ちょうど今朝、日本人がイラン→パキスタンの国境（ミルジャワボーダー）にアタックしに行ったそうです。
パキからイランに抜けた場合、大体、国境からバムという町に向かい、そこで一泊し、その次の日あたりに、ここシーラズに来るのですが、やはりあの事件後にパキスタンから国境抜けしてきた人間には会ってないとのことでした（外国人含む）。もちろん、国境アタックした人にも。丁度事件発生と同じ頃に会った人とは出会ったとのことですが、その人には僕もテヘランで会っています。
彼曰く、イラン側に入国と同時に、兵士の護衛付きでバムまでタクシーで強制的に運ばれたそうです。イラン側はそれでなんとかなったけど、パキスタン側はもちろん護衛などなく、相当危険な雰囲気だったとか。ここの宿に有る情報ノートによると、夜中に強制的にホテルを移動させられたりしたという話が載っています。
そして、結局誰もその後の情報を得られず、そうこうしているうちに集まった日本人男性４人で、一人で行くよりは危険度が減るということで、みんなで国境へ向かったそうです。彼女自体もパキに向かう途中だったので困っているそうで、やはり、飛ぶか、中央アジアを抜ける（ビザ代高い＆その他懸念有り）か、友人の欧米人達とアフガン抜けするかで迷っているそうです。
やはり、向こう側から来た人間がいないことが気になります。

そして、さらに、実は一ヶ月ほど前から、国境付近で、イランの軍隊と、例のアフガンからの麻薬密売組織と、さらにそちらに元から存在していた勢力との間で、近々戦争を始めるという噂が現地で流れているそうです。

やっぱり彼女も、僕ら同様、旅をしている以上（彼女は旅３年半）、もし最悪の事態が起きた時は、自業自得なので仕方ないと思っていますが、残された家族が国から叩かれるのは居たたまれないとのことでした。
みんな悩んでいるようです。

でも…ね。行きたくなっちゃう気持ちはホント痛いほど分かる。自分も一人だったらどうしてたのか…。今更考えても仕方ないけど、やっぱり考えてしまう。。。

さて、果たして彼らは無事国境を抜けることができるのでしょうか・・・


写真；
１．ホテルの中庭1



２．ペルシャ猫？じゃない…2



３．この丘のてっぺん鳥葬が行われていた3



４．これ4



５．てっぺんの建物の内側5



６．ゾロアスターのマーク6



７．真ん中に大きな穴が開いていた。何に使っていたのだろう…7



８．ヤズドの夜景8



９．この中で鳥葬が…9



１０．暗くて怖い…10



１１．そこら辺のモスク。イランのモスクはどこのも立派11



１２．モスクの柄12



１３．ラクダの肉シチュー。牛みたいなんだけど、なんか気持ち悪い…13



１４．旧市街は迷路のよう14



１５．教祖ゾロアスター15



１６．この火がずっと消えたことのないという火…まぁ、普通に火だな…16



１７．火のアップ。やっぱり普通の火17



１８．ヤズドの街並み。屋上から18



１９．バードギルという、室内冷却装置。微弱な風を取り込み、家の中を冷やす
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マシュハド　イラン抜け改めイラン抜け改め、イラン周遊旅行

イラン抜け改め、イラン周遊旅行

【マシュハド】

イマーム・レザー。
８代目イマーム・レザーがマシュハドで死に、その後、彼の墓が聖地とされ、多くのイスラム教徒に崇められた。彼の死後しばらくし、１４０５年から１４１８年にかけて、建てられた、超巨大モスク。現在も増築中な様子。

パキスタンへの陸路抜けを諦めた僕らは、２９日のフライトまでイラン一周旅行をすることにした。
そして、テヘランから真東に夜行バスで１４時間かけて、イスラム教シーア派の聖地、マシュハドへとやってきた。ここは、中央アジアや、パキスタンに抜ける通り道だが、パキスタン抜けの場合、大きく遠回りになる。行った人の話によると、ここは相当良いとのことだったが、正直面倒くさかったので、行こうかどうか迷っていた。

結局ただデカいだけのモスクでしょ？

・・・しかし、来て見てその予想は間違っていたことが分かった。

２４時間入場可能なので、夜のイマーム・レザーを見に行った。

荷物チェックを受け、メグは入り口で『チャドル』という黒装束のような服を借りての入場。イスラム教に従った法律のイランでは、女性は肌を露出してはいけない。髪の毛もその一つで、頭には布を巻かなければならない。他のアラブ諸国もそうなんだが、最近は戒律もゆるくなってきているようで、若い女性らは結構巻いていない。しかし、ここイランでは、そのイスラムの決まりが法律になっている（イランの正式名称は、『イスラミック　リパブリック　オブ　イラン』）ので、巻かないと違法になってしまう。そのため、女性はみな、頭を布で隠し、体のラインを見せないコートのような服や、黒装束のような服を着て歩いている。テヘランあたりの都会では、若い女性は髪を金髪に染め、半分以上外に出して、法律に抵抗するように、必死におしゃれをしているが、さすがに、ここ聖地マシュハドでは、女性はみなチャドルに身を包み、イスラムの決まりを守っている。

「おまえはイスラム教徒か？」

「あ、はい…」

いきなりそう聞かれ、思わずＹＥＳと答えたところ、簡単に中に入れた。しかし残念なことに、写真撮影は厳禁。。。だけど、何故か携帯のカメラなら撮影可。不思議な決まり。

入場前から、辺りは真っ黒な女性達だらけで、なんとも異様な雰囲気だった。
そして入場。
最初のスペースは、広い！とにかく広い。
モスクのイメージとは裏腹に、超近未来的な広場が広がっていた。
床はすべすべのタイルが張り巡らされ、奇妙な形の電灯がたくさん建っている。そこらへんで座ってくっちゃべってる人がたくさんいる。木々のない美しい巨大な公園、そんな感じ。

広場の奥にまた入り口が有り、その中に入ると、圧倒的な景色が眼前に広がった。
巨大な外壁に囲まれたその空間は、一面がペルシャ柄の超超超美しいタイル張りになり、夜の闇の中で光に照らされていた。タイルとかモザイクとかまったく興味のない僕でも、その迫力と美しさに圧倒された。写真がないのがホントに残念！物凄く美しいです。ヤバイです。かのイスラエルの聖地・岩のドームや、イスタンブールの巨大モスク・ブルーモスクなんか屁です。霞みます。

さらに奥の建物に進む入り口が。そこにはペルシャジュータンが敷かれており、中に向かって拝んでる人達が座っている。なにやら異様な熱気を感じ、テンションはますます高まる。本当は、この奥は、イスラム教徒じゃないと入れないんだけど、一応イスラム教徒ってことになってるから大丈夫。

侵入してみた。
ヤバいどころじゃない、ありえない世界が在った。
壁から天井から辺り一面すべて鏡とガラス張り。いくつも部屋があるけど、全てそう。そして、その全ての鏡がダイアモンドのようにカットされている。そのため、全面がギラギラ輝いて、この世のものとは思えない空間になっている。床にはペルシャ絨毯。頭上には巨大なシャンデリア。建物全体がシャンデリアみたいな中で、さらにそのシャンデリアが輝かしい。そこで男達がコーランを詠みながら熱心に祈っている。女達は、嗚咽を漏らし、涙を流して祈る。祈り、叫び、奥に進むほど、熱気はどんどん高まる。そして、最奥の、イマーム・レザーの祭壇には、それを触ろうとして、何十人もの人々が群がり、狂ったように叫んでいる。幸運にも触れた物は、手のひらを擦り、手の甲を擦る。とにかくその手を擦りつける。
僕も触ってみようかと近寄ってみたが、人々に押しつぶされ、とてもじゃないが前に進むことができない。異教徒なのにこんな神聖な物に触れてしまってよいのだろうかという自警の念にも少し駆られていた為、無理やり押し入ることはできなかった。

夢のような部屋から出て、モスクを後にしようとしたら、道に迷ってしまい、未だ建築中の場所に行ってしまった。その薄暗い空間で、男達が３０人ほど集まって、不思議な歌を歌いながら、不思議な踊りを踊っていた。物凄く男らしい声で、男らしい踊りだった。

興奮冷めやらぬまま、ドアにキスして外に出るイスラム教徒と共に、聖地イマーム・レザーを去った。

なんとなく来たイマーム・レザーだったが、間違いなくこの旅のベスト建築物第一位に輝いた。しかもダントツで。この建物、一生に一度は拝んどいた方がいいと思います。
ボリビアのウユニ、ジンバブエのビクトリアの滝と共に、僕の世界お勧めスポットの一つに加わりました。

本当に来て良かった。



写真；
１．看板が凄いなぁ1



２．スークの中2



３．あの向こうにこの世のものとは思えない世界が…3



４．なんだこりゃ？4



５．イスラムの国でよく見かける合成写真。流行ってるみたい…5



６．招き猫発見！！しかし、なんかちょっと顔が怖い…6



７．イラン製コーラ
7

続報

続報！！＞

新しい情報が…。
なんとイラン南部に「退避勧告」発令！！
これは困った。『赤』はマズい…。責任問題が重くのしかかる。っていうか、これは国境封鎖されてるって話も本当かも。予定では、２９日に国境抜けのはずだけど、飛行機で行く場合、２９日にテヘランにいないとダメ。国境抜けトライして、もし閉まってたらすべてアウト。次の飛行機待ってたら、パキスタン自体に行く時間がなくなる。もしかしたら、アフガンのように今後二度と行けない国になってしまうかも知れないのに。。（って言っても、アフガニスタン行ってる人、実は結構居るみたいだが）。

決断の時は迫る。っていうか、今か。。。

『飛ぶ』か！？



＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠＠
さらに続＞

飛びます。エアチケット買いました。

１５１ドルは痛いけど、物理的に無理そうなので。
ほんと旅はいろいろ有りますわ。久しぶりに悩んだけど、これですっきりした。
降り立つ先はアフガニスタン近郊、密輸商人行きかう辺境の町、ペシャワール。
結局ここもレベル３の危険地帯。でも、赤い所を抜けるよりは全然マシでしょう。
実はイスタンブールからインドのコルカタまで１８８ドルで飛べるらしい。でも、やっぱパキスタン行きたいので、行けるうちに行っておこうと思う。

さて、そのフライト内容ですが、なんかおかしい…？

エア・アラビア
２９日　１３：２０　テヘラン発→１５：５５　Sharjah着
３０日　０７：１０　Sharjah発→１０：５０　ペシャワール到着

何コレ？この距離でトランジット一晩あるんですけど…

ってか、Sharjahってどこ？？ＵＡＥ？ここってトランジットビザ居るんだっけ？？外出れるのか？？もちろん安宿なんてないよね…？？？

とにかく、結果、また想定外の国に行くことになりました。
金はちょっとかかったけど、また知らない国が見れると思ったら、これはこれで、楽しみ♪
成り行きの旅も面白い。

というわけで、ひとまず２９日まで、イラン周りながら、また情報集めます！





1



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イラン入国

イラン入国と、パキスタンボーダー情報その後。

１０／２０　テヘラン到着

アンカラから、夜行バスで１７時間半。朝８時頃、トルコ最東部の町、ドゥーバヤジットにたどり着いた。
ここで一泊するつもりだったが、すでに予定が押しているので、一緒にバスに乗ってきたイラン人達と共に、いっきにイランへ入国することにした。
彼らと共に乗り合いミニバスに乗り換え、国境へ向かう。

入国手続きは拍子抜けするほど簡単だった。例の事件で、イラン政府から日本政府に対して、日本人の入国を自粛するよう呼びかけるようにと依頼があったそうだし、女性のイラン旅行はいろいろと面倒臭いこともあり、果たしてどんな質問をされるのか、と構えていたが、あっさり入国。問題なし。質問なし。

国境から乗り合いバスで１５分ほど行き、タクシー乗り場で下ろされる。
一緒にいたイラン人達が、バスで４時間ほどかかるタブリーズという町まで、タクシーに無料で乗せてってやると言い出したが、なんか少し怪しい。タクシーといったのに、一緒に来たおっさんが運転席に座ってるし。しつこく言われたが、丁寧にお断りし、自力で行くことにした。闇タクシーを捕まえて、マクーバスターミナルへ。丁度テヘラン行きの夜行があったので、バス二連泊はだるいが、さらに時間短縮のため、いっきにテヘランに向かうことにした。

早朝５時。テヘラン到着。バスターミナルでぼったくりタクシーとケンカになり、途中で金払わないで降りたりしたが、いろいろ粘って、二人で５００円くらいで町までたどり着いた。タクシーを降りてうろうろしていると、国境の街で友達になったポーランド人とばったり出会い、彼と一緒に宿へ向かった。彼の話だと、やっぱり今パキスタンへ抜けるのは難しいらしい。というのも、国境が閉まったり閉じたりしてるそうで、物理的に不可能かも知れないとの話だった。そういえば、アンカラのイラン大使館で会ったイタリア人の女の子も同じことを言っていた。ちなみに彼女は、そんないつ開くか分からない国境など待ってられないから、テヘランからペシャワールへ飛ぶとのことだった。

特に面白くも無いテヘランの街をぶらぶら歩いた。
宿付近は、車の部品屋ばかり並んでいる。商店もほとんどない。裏通りに入っても、謎の部品屋だらけ。違う品が置いてある通りを発見した！と思ったら、今度はずーっと家で使う固定電話ばかり売っている店が並んでいる。もちろん客などいない。競争とかないのだろうか、この国は？

街中車の排気ガスで充満し、少し外を歩くと喉が痛くなった。信号機が全く機能していないので、大通りを渡るときは命がけ。車とバイクが交通ルール無視、というか元々無いのか、ビュンビュン行きかっている。そこを隙を見て渡るのだが、ここイランは今まで歩いてきた国の中で、一番タイミングが難しい。危うく引かれかけた。

物価は、トルコに比べればずいぶん安いが、それでもホットドックみたいなサンドイッチ一つ７５円くらい。怪しいＮＥＷ　ＥＲＡＭ　ＣＯＬＡ　とかいうコーラが１．５リットルで９０円くらいはする。僕らの経済状況からすると、これはちょっと高い。というのも、実はここに来て一つ問題が発生したからで、それはここイランでは、国際キャッシュカードが使えるＡＴＭがなく、さらに各種クレジットカード全て使用不可。僕らは二人合わせて米ドルキャッシュ５００ドルくらいしかないので、これでパキスタンの大きな街まで行かなければならなくなってしまった。一応、パキスタンのラホールには、シティーバンクが有るらしい。しかし、それも使えるかどうかは分からない。一人頭２５０ドル。３週間でこれはきつい。宿代が一泊５ドル〜１０ドル。昨日の夜行バスが１０ドル。これは危険な気がする…。現地の人の話だと、２００３年の９月から、突然外資系のいろいろな機関や物がストップしてしまったそうだ。困ったものである。

ガソリンも、使用制限がかけられ、一般人は月に１００リッターくらいしか使えないとか。しかし、ガソリン自体の値段は安く、１リッター３０円くらい。バス代もっと下げてほしい。


【イラン→パキスタン国境越え最新情報】

そして、ここテヘランのマシュハドホテルで数名の日本人に出会った。そこでイラン―パキスタン間の国境の最新情報を入手した。まとめてみると、

国境の街、ザーヘダンから国境までは、タクシーをチャーターしなけらばならないので、確実にぼったくられる。そして、タクシーには、護衛の兵士を乗せなければならない。

日本人誘拐事件を起こした、アフガニスタンの麻薬密売組織は、現在ザーヘダン付近に潜伏中。彼らもまた、パキスタンへの越境を試みているという情報をイラン政府が入手したらしい。まさに僕らとルートが被っている。

国境が開いたり閉じたりしているという話だったが、上記のせいで、旅行者は完全に通れなくなっているという情報有り（未確認）

さらに上記の情報を受けて、外務省が、パキスタン全土か、国境付近に「退避勧告」を出すことを検討中との話（未確認）

テヘラン→ペシャワールのフライトチケットが、アラビア航空で１５１ドル！思ったより安い。インターネットならクレジットカード払い可能。しかし、着いた先のペシャワールも危険地帯に指定されている。週１便。次は２９日。

最近パキスタンのカラチで、テロ有り。１００数十名死亡。数百名負傷。

最近、国境付近でイラン人数十名が強盗に襲われ死亡。

もし越境できたとしても、パキ側国境付記の町から次の町まで夜行バスで行かなければならないが、最近密輸集団以外にも夜行バスを狙った強盗が多発急増中。

あの事件があってから、国境を抜けてきた人に誰も会っていない。通れないのか？

ペシャワールまで行かないと、国際キャッシュカード使用可能なＡＴＭがない。もちろん、それも使えるか分からない。

ウズベキスタンなどの中央アジアを通って抜けるルートは、昨年は１１月１３日で国境閉鎖。冬場は通れない。ビザ取得にもテヘランで一週間ほどかかる。

現地人曰く、ザーヘダンは危ないから行っちゃダメ！

そして、ネックになっている、どうしても見たかった「バム」。しかし、なんとこれが地震で完全に崩壊。めちゃくちゃになってるのを現在改装中との情報が。。。見るものもなくなり、ただ危険なだけの場所になってしまった…


とりあえずこんな状況らしい。
困った。
とりあえず危険云々の前に、国境が閉じていたらどうにもできない。
パキスタン全土に退避勧告など出た日には、身動きが取れない。インドまで飛んだらますます金がかかる。
そして、ＡＴＭが使えないのはかなり厳しい。トルコからずっと腹がへって朦朧としてます。

う〜ん。。。
金と危険と国境封鎖の三重苦。
ほんと困ったにゃぁ・・・


写真；
�．ぅ薀鷽優咼献優好泪鵑僕兇錣譴董�一気にイラン入国1



��国境。女性は肌の露出は現金。無理やりな格好でイミグレを抜ける準備2



��トルコとアルメニアにまたがるアララト山。昔ノアの箱舟が到着したといわれる山で、アルメニア人にとっては聖山。3



�ぅ泪�ーバスターミナル付近の村。なんにもないし、なんか雰囲気暗い4



�ジ�園には変な鳥が…5



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�Д謄悒薀鵑任禄�性は前髪出して、金髪に染めたりしてる。なのでこのくらい髪が出てても大丈夫7



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