野球:日本組、古巣球団は大歓迎
ヤクルト帰りの李恵践、年俸大幅アップ
「前世は救世主!?」
今月8日に古巣の斗山と1年で総額11億ウォン(約8050万円)の契約を交わした李恵践(イ・ヘチョン)=31=について、あるインターネットユーザーがポータルサイトにアップした書き込みのタイトルだ。実力以上の評価に驚きを隠せないというわけだ。
正直言って、李恵践はそれほど輝かしい結果を残した選手ではない。1998年にOBに入団し、通算53勝40敗6セーブ、防御率4.16だ。左腕で球速はあるものの、制球力やバッターとの駆け引きがAクラスとはいえないとの評価だった。
ところが、日本のヤクルトで2年間選手生活を送ったことで、突然年俸が高騰した。李恵践が2008年に韓国の斗山に在籍していた当時の年俸は1億5000万ウォン(約1100万円)だった。
ヤクルト時代の李恵践の成績は、ぱっとしない。昨年は42試合に出場して1勝1敗1セーブ、防御率3.65で、今年は19試合に出場して1敗に終わり、防御率は5.09だ。何よりも日本での2年間は1軍よりも2軍にいた時間の方が長かった。ところで、「ケチ」で有名な斗山がこのような大金を準備した理由は何だろうか。
これについて、斗山の関係者は「スター選手である上、若い投手陣のリーダー役になってほしいという期待が込められた額」と話す。もちろん、戦力を補強したい考えもある。左腕の速球投手を獲得することで、来季に夢を託したいのだ。
こうしたケースは何も今回が初めてではない。1995年の宣銅烈(ソン・ドンヨル)以来、日本のプロ野球で選手生活を送った「Uターン組」には、それなりの年俸が約束される雰囲気が定着してきている。巨人で苦杯をなめたチョン・ミンチョルは2002年1月、ハンファとの契約でプロスポーツ史上初めてとなる年俸4億ウォン(約2930万円)の大台を突破した。次いで01年7月には李鍾範(イ・ジョンボム)が起亜と3億5000万ウォン(約2560万円)で、03年に復帰したチョン・ミンテ(当時現代)は5億ウォン(約3660万円)でそれぞれ契約を果たした。
「Uターン組」は、そのほとんどが日本で優れた成績を収めることができていない。しかし、韓国国内のプロ野球で積み上げた知名度と、そして戦力補強を願う古巣球団の必要性とがうまくかみ合って、年俸がアップする。
一方、イ・サンフン(LG→中日→ボストン)と具台晟(ク・デソン)=ハンファ→オリックス→ニューヨーク・メッツ=は、日本での成功を土台にメジャーリーグ進出を果たした。
韓国のプロ野球界は、日本から帰ってくる選手たちを歓迎のまなざしでは見ていない。サムスンの宣銅烈監督は、イ・スンヨプの韓国復帰説が取り沙汰されたとき、「日本で骨をうずめる覚悟を持つのが望ましい」とコメントしている。復帰を考えた瞬間に気が緩み、失敗する恐れがあるという忠告が込められた言葉だ。
高錫泰(コ・ソクテ)記者