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射撃訓練実施に悩む韓国 北朝鮮の挑発、見極め難しく

2010年12月19日7時7分

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 【ソウル=牧野愛博、村山祐介】北朝鮮軍による砲撃を受けた大延坪島(テヨンピョンド)付近の海域での射撃訓練を巡り、韓国が苦悩している。韓国軍は18日から21日の間に実施すると発表したが、北朝鮮が強く反発。18日は実施を見送った。韓国政府内で、北朝鮮の第2次挑発の可能性を巡ってぎりぎりの分析が続いている模様だ。

 韓国軍は「最も気象条件の良い時期に1日だけ実施する」と発表。天候を理由に18、19両日は実施しない見通しという。しかし、18日は同島周辺でほぼ晴天が続いていたため、こうした理由に疑問の声が上がっている。

 韓国政府関係者らによれば、韓国軍が訓練実施に最も熱心とされる。元々、先月23日に実施中の射撃訓練が、北朝鮮軍の砲撃で中断。軍は「早く再開しないと、この海域で演習できないという悪例を残す」と主張しているという。軍事関係筋は「発表した以上、延期すれば更に北を有利にする」と語る。

 一方で、政府内には北朝鮮の2次挑発を憂慮する声もある。韓国軍は北朝鮮が砲撃すれば、「断固たる対応を取る」と宣言。航空機による空爆も検討している。北朝鮮も「より深刻な状況を再現させる」と警告しており、戦闘が拡大する可能性がある。拡大しない場合でも、2次挑発が韓国社会や経済に深刻な影響を与えることは必至だ。

 韓国全面支援を表明している米政府は表向き、「韓国は主権国家として軍事訓練をする権利がある」(クローリー国務次官補)と理解を示している。クローリー氏は17日の会見でも、「北朝鮮は訓練をさらなる挑発行為の口実にすべきではない」と牽制(けんせい)した。

 ただ、北朝鮮の出方が読み切れない中、米側は「銃撃の応酬という連鎖反応が起きかねず、事態が拡大して制御できなくなる懸念がある」(米統合参謀本部のカートライト副議長)との不安も強めている。米軍はアフガニスタンとイラクの二つの戦場で疲弊、朝鮮半島のこれ以上の軍事的緊張は避けたいのが本音だ。

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