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大毅、減量地獄でバンタム級転向へ

 ロープにもたれながら会見する亀田大毅=東京・亀田ジム(撮影・開出 牧)
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 ロープにもたれながら会見する亀田大毅=東京・亀田ジム(撮影・開出 牧)

 「WBA世界フライ級タイトルマッチ」(26日、さいたまSA)

 王者・亀田大毅(亀田)が17日、東京・葛飾区の亀田ジムで会見し、減量苦により次戦から階級を上げることを表明した。当初、公開練習を行う予定だったが、減量からくる体力の消耗が激しいため、急きょキャンセルした。今タイトル戦を最後にフライ級を“卒業”し、王座を返上することが濃厚。大毅はSフライ級を飛び越して、2階級上のバンタム級へ転向する可能性を示唆した。

  ◇  ◇

 予定を急きょ変更し、公開練習を中止した大毅は、会見の冒頭で思わず泣きを入れた。「今週から減量に入った。もう、だいぶん落としている。この時季の減量はきつい。公開練習なのに、練習もせんと本当に申し訳ない。体力がないから。ほんまにきついわ」。無理やりに作る笑顔が痛々しいほどだった。

 すでにリミットの50・8キロまで落とすことは限界に達している。通常の体重は、今年に入ってから60キロを超えるようになった。試合のたびに10キロ以上の減量を強いられる。21歳の肉体は日々進化しており、上半身の筋肉も発展途上にある。身長168センチの体は、大きな悲鳴を上げている。

 体重が落ちにくい冬ということで、通常よりも5日早く減量に入った。減量を開始した13日と16日は絶食。14日と15日の2日間は食事をとったが、1食のみ。しかも通常の1食分の5分の1程度の量で、水分はほとんどとっていない。予定よりも体重が落ちていないため、今後、一日置きに絶食するという。

 減量に入ってから、練習以外はほとんどベッドで横になっている。貧血になりやすく、ベッドから起きあがる際にしばしば立ちくらみがするという。そんな中、唯一の楽しみは趣味の競馬だ。「苦しい時は競馬のことを考えている。有馬記念が楽しみ。でも楽しみはそれだけ」と苦笑いを浮かべた。

 フライ級は今試合が最後になる見通しで、来年は階級を上げる。Sフライ級の可能性が高いものの、大毅は「もうSフライ級でも減量がきついと思う。一気にバンタム級に上げることも視野に入れている。階級にはこだわりがないし、自分の力が出せる階級ならどこでもいい」と説明した。

 減量が苦しいがゆえに「相手の分析をするのもしんどい」と苦笑いを浮かべた。一方で、相手の印象について「背が低くてうまい」と評した。計量の25日まで「減量苦」という地獄の日々だが、フライ級最後の試合にかける思いは強い。「フライ級で最後になると思うから、KOで勝ちたい」とKO宣言で締めくくった。

(2010年12月17日)

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