佐賀市で０７年９月、知的障害のある安永健太さん（当時２５歳）が警察官に取り押さえられた直後に急死した問題で、遺族の請求を受け特別公務員暴行陵虐傷害罪で審判に付された佐賀県警巡査長、松雪大地被告（３０）の公判が１６日、佐賀地裁（若宮利信裁判長）であった。被告人質問で、松雪被告は「拳を作って殴ったり、蹴ったりは一切ない」と暴行を改めて否定した。

　松雪被告は、安永さんに対する取り押さえについて「精神錯乱者と判断し、警察官の職務として保護した」と説明。死亡したことに対しては「とても残念」と語り、遺族への言葉を求められると「安永さんの冥福を心から祈る」と述べた。

　また、被告として法廷に立たされたことについて「私一人だけが、被告とされたことについては納得がいかない」とも主張した。