リニア中央新幹線:直線ルートで決着…交通政策審小委

2010年10月20日 11時34分 更新:10月26日 21時46分

リニア中央新幹線想定ルート
リニア中央新幹線想定ルート

 JR東海が計画するリニア中央新幹線(東京-大阪)について、国土交通省の交通政策審議会中央新幹線小委員会(国交相の諮問機関)は20日、同社が要望している南アルプスを貫通する「南アルプスルート(直線ルート)」が「最も費用対効果に優れている」との分析結果をまとめた。これにより、3案が提案されていたルートは直線ルートで事実上決着した。同小委は年内にも直線ルートを軸とする中間報告を正式に取りまとめ、来春をめどに国交相に対し整備計画に格上げするように答申する。

 同小委では、提案されている3ルートのうち、南アルプスをトンネルで貫く「直線ルート」(東京-大阪間67分・438キロ)と、南アルプスを北に迂回(うかい)する「伊那谷ルート」(同74分・498キロ)について、経済成長率1%、総人口が65年に8000万人まで減ることを前提に費用対効果(投資費用に対する効果の比率、数字が大きいほど効果が高い)を試算した。それによると、「直線ルート」は1.51倍となったのに対し、「伊那谷ルート」は1.24倍にとどまった。

 具体的には、超電導リニア方式で整備した場合、直線ルートは費用は約5.5兆円、効果約8.4兆円に対して、伊那谷ルートは費用約6.0兆円、効果約7.5兆円で、直線ルートが優位だった。

 東海道新幹線や航空機からの転換、新たに誘発される人の流れを踏まえた輸送需要量の試算では、45年度に東京-大阪間が開業した時点で、直線ルートは年間408億人キロで、伊那谷ルート(385億人キロ)を大幅に上回った。【寺田剛】

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