[PR]
ニュース:事件 RSS feed
【海保職員「流出」】免職・停職…処分に揺れる海保 「最後は政治判断」 (2/2ページ)
▼同情できぬ
当初はネット上などで非公開の映像を世に出したことに称賛の声が寄せられたが、海上警察権という強制力を持つ機関の一員が犯した内規違反については識者などから「違反を許していては規律が保てなくなる」と厳しい意見があるのも事実。
ある海保職員は「彼が海保に残れば、世間からは『やっぱり身内に甘い』とみられる。たとえ免職になっても同情はできない」と話す。
国家公務員が内部情報を漏洩させて懲戒免職になったケースは、平成17年、防衛省情報本部所属の1等空佐が中国の潜水艦の動向に関する防衛秘密を新聞記者に伝え、20年に自衛隊法違反(防衛秘密漏洩)容疑で書類送検された事件がある。1等空佐は免職後、不起訴(起訴猶予)処分となった。
▼長官更迭も
今回保安官がネット上に流出させた映像は、海上保安大学校(広島県呉市)の共有フォルダで一時期、多くの職員が入手可能な状態になっていたことに加え、衆参予算委員会の理事らに限定公開されるなどしており、秘密性の高い内部情報だったかどうかは疑問符がつく。
加えて、もし保安官が懲戒免職となれば、海保トップの鈴木久泰長官の更迭や、海保を所管する馬淵澄夫国土交通相の辞任といった議論が勢いを増すことは確実。こうした点から、保安官の処分についての最終判断は、官邸の意向が強く影響するとみられる。
映像流出という「荒波」に翻弄される海保の漂流は、しばらく続きそうだ。
関連ニュース
- 【海保職員「流出」】来週にも書類送検へ 国家公務員法違反容疑で警視庁
- 【海保職員「流出」】映像をCNN東京支局に郵送 「放送されず動画サイト投稿」海上保安官が説明
- 【海保職員「流出」】「乗船不可」診断書…海上保安官が陸上勤務の予備員に
- 【海保職員「流出」】共有フォルダー情報は広まっていた…別の保安部でも映像取り出し
- 【海保職員「流出」】刑事処分へ残されたハードル 「犯人性」裏付け、投稿の経緯…
- 【海保職員「流出」】巡視艇うらなみ 乗組員立ち会いで実況見分
- 【海保職員「流出」】福島海保職員、海保大フォルダーから映像入手
- 【海保職員「流出」】動画削除の痕跡たどれず 自宅パソコンは初期化
- 【海保職員「流出」】「自分がやった」 投稿直後、妻に告白
- 【海保職員「流出」】保安官の独占インタビュー、逮捕見送りでお蔵入りも