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軍犬の実話を初ドラマ化 NHK「さよなら、アルマ〜赤紙をもらった犬〜」 (1/2ページ)
戦争の犠牲者は人間ばかりではなかった−第二次大戦下の日本で、“無言の殺人兵器”として出兵した軍犬のドラマが制作された。NHK総合で18日午後9時から放送の「さよなら、アルマ〜赤紙をもらった犬〜」。シェパード犬のアルマと、アルマを取り巻く人々とのきずなを描いた感動作だ。(萩原万貴枝)
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優れた視覚と嗅覚(きゅうかく)、そして人間への忠実さを見込まれた犬が軍事目的の「軍犬」として飼育されてきた事実は、世界各国で古くから記録にある。戦争中の日本でも多くの犬が前線に送られ、弾薬運びや伝令などの任務を遂行。その数は10万頭ともいわれている。
内藤愼介チーフプロデューサーによると、ドラマ制作のきっかけは、雑誌で目にした古い写真だったという。そこには「祝出征 アルマ号 帝国軍用犬協会札幌支部」と書かれた垂れ幕の横に、正面を凛(りん)と見すえて座るシェパード犬の姿があった。
幕には飼い主とみられる名前も記されていたが、人物の特定には至らず、「写真のアルマがどんな運命をたどったのか、今でもわからない」(内藤氏)という。そこから、軍犬の実話をもとにしたオリジナルの作品をつくる計画が進み、内藤氏は当時、駆け出しの脚本家だった水野宗徳(むねのり)氏(38)に小説の執筆を提案。着想から約6年の時を経て、ようやく同名小説を原作にしたドラマが誕生した。