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【法廷から】「女性を傷つけたかった」連続強姦の少年被告に懲役18年判決 被害者の苦しみは彼に届くのか

2010.12.16 22:22
このニュースのトピックスさいたま傍聴記

 【法廷から】さいたま市で見知らぬ女性を狙って暴行したりバッグを奪うなどしたとして、強姦致傷や強盗致傷など6つの罪に問われた元少年(20)=犯行当時(19)=の裁判員裁判の判決公判が16日、さいたま地裁で開かれた。伝田喜久裁判長は「征服欲を満たすためだけの極めて悪質な犯行」として懲役18年(求刑懲役20年)を言い渡した。

 起訴状などによると、被告は昨年9月から今年3月、さいたま市緑区の路上で帰宅中の20代の女性を殴り乱暴するなど、8件の強姦致傷や強盗致傷などの事件を重ねたとされる。

 判決は、被告が深夜に女性を背後から突然襲い、顔を地面に打ち付けるなどの激しい暴行を加えていたと認定。被告は犯行動機について、15日の被告人質問で「学校で女子からいじめられていた。とにかく女性を傷つけたかった」と述べていた。

 弁護人「小中学校ではどうでしたか」

 被告「女子から『気持ち悪い、近寄るな』と嫌われていました。高校でも続きました」

 弁護人「仕返しは」

 被告「顔見知りには怖くてできませんでした。しかし、ある日、レイプもののアダルトビデオを見て、スカッとした気分になった」

 高校卒業を控えた春ごろから、被告はバイクで幹線道路を徘徊(はいかい)し、見知らぬ女性を襲い始める。

 弁護人「悪いこととは思わなかったの」

 被告「わかっていたが止まりませんでした。とにかく女の人を傷つけたかった。一番傷つく手段は強姦だと思ったので」

 女子にいじめられたことから凶行に走ったと主張する被告。だが、被害者はいずれも無関係の他人だ。続いての反対尋問で、検察官がその点を突いた。

 検察官「あなたには恋人がいましたね。女性を苦しめたかったというが、恋人を殴ったり強姦したりしたんですか」

 被告「してません」

 検察官「なぜ他人ならいいのですか」

 被告「わからない…」

 伝田裁判長は判決で「自らの征服欲を満たすためだけに、いじめとは無関係な女性を襲った」と非難した。被害者の一人は調書で「生活の全部をぶち壊された」と訴えた。「性犯罪者がいるのでは」と人込みを歩けず、退職に追い込まれた被害者も。被告が身勝手な動機から被害者の心に残した爪痕は、あまりにも大きい。

 20歳の誕生日を拘置所で迎え、「大人になったと思った」という被告。被害者の苦痛を受け止め自らの行為の意味を真に理解したとき、初めて被告は「本当の大人」になれるのかもしれない。(塩塚夢)

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