2010年12月18日15時1分
茨城県取手市のJR取手駅西口で17日朝、バスの中で男が乗客に包丁で切りつけるなどして中高生ら14人にけがをさせた事件で、殺人未遂容疑で現行犯逮捕された同県守谷市本町、無職斎藤勇太容疑者(27)が県警の調べに対し、「1年前に会社をリストラされ、その頃からこういった事件を起こそうと、何となく考えていた」と話していることが18日、捜査関係者への取材でわかった。
ただし、「決意したのは数日前だった」と供述。取手駅を選んだ理由については「(以前通っていた)高校の近くだったから」と話しているという。事件2日前の15日に自宅を出て、17日に守谷市から現場まで歩いてきたと説明しているという。
バスの中から県警は、凶器として使われた文化包丁(全長25センチ)と、果物ナイフ(同20センチ)を押収。うち1本は「1年前に100円ショップのような店で買った」と供述していたが、これが文化包丁で、自宅に置いていたことも判明。果物ナイフも自宅から持ち出したという。
斎藤容疑者は数年前に母を亡くしてから父と2人暮らしだった。逮捕された時の所持金はゼロだったという。
県警によると、斎藤容疑者は17日午前7時40分ごろ、「江戸川学園」行きのバスに後部ドアから乗り込み、私立江戸川学園取手中学・高校の生徒らに次々と包丁で切りつけた。その後、後ろに止まっていた2台目のバスに乗り込んで乗客を襲ったが、車内で乗客らに取り押さえられた。
県警は18日午前、斎藤容疑者の身柄を水戸地検に送検し、なぜ通勤・通学時のバスを狙ったかなどについて、さらに調べを進める。