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米科学誌:「10年の成果」にiPS細胞 「はやぶさ」も

iPS細胞研究所のギャラリーで説明をする山中伸弥教授=京都市左京区で2010年5月8日、望月亮一撮影
iPS細胞研究所のギャラリーで説明をする山中伸弥教授=京都市左京区で2010年5月8日、望月亮一撮影

 米科学誌サイエンスは16日付の最新号で、今世紀の10年間に科学的に大きな進展のあった10の分野を特集。山中伸弥京都大教授が作成に成功した、さまざまな細胞になる能力がある「人工多能性幹細胞(iPS細胞)」に関する研究も選ばれた。

 今年の主な出来事を振り返る中では、小惑星探査機「はやぶさ」の帰還(6月)や、遺伝資源の利益配分ルールを定める名古屋議定書を採択した国連生物多様性条約第10回締約国会議(10月)にも触れた。

 「細胞の初期化」という項目で研究成果が取り上げられた山中教授は2006年と07年、それぞれマウスとヒトでiPS細胞を作成することに成功。細胞により治療する再生医療や、薬の開発への応用が期待され、同誌は「発生生物学における展望を一変させた」と評価した。

 特集では今年の「10大成果」も発表。最も重要な科学的進歩として、米カリフォルニア大サンタバーバラ校の物理学者らがつくった「世界初の量子装置」を選んだ。

 装置は、原子レベルの微小な世界で起こる現象を説明する、量子力学の法則に従った動きを再現するという。

毎日新聞 2010年12月17日 9時58分(最終更新 12月17日 12時13分)

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