韓国軍:偵察機の墜落原因めぐり結論
韓国空軍は17日、全羅北道任実郡で先月12日に墜落した空軍RF4C偵察機の事故原因について、低高度からの偵察のため、パイロットが肉眼で目標物を確認することに集中する一方で、飛行高度が下がったことを認識できなかったと推定されると発表した。当時、偵察機は墜落直前まで高度3000フィート(約914メートル)を飛行していたことが分かっている。
韓国空軍の関係者は、「機体やエンジン、装備などから事故の痕跡は発見されず、気象など飛行環境的な要素にも特に問題点はなかった。人的要素に対する調査の結果、パイロットの“没入による注意喪失”が事故の直接的な原因だという結論に至った」と語った。
没入による注意喪失は、特定の目標に選択的に集中する余り、ほかのことを瞬間的に見失う状態を指す。これは、パイロットの過失とは異なる概念だ。韓国空軍の関係者は、「人間だから起こり得る現象」と語った。
この関係者は、「当時、低高度写真撮影の任務を遂行するため旋回中だったが、前席のパイロットが飛行経路を正確に維持するため、肉眼で目標地点を確認することに集中し、傾斜角の深まりや高度の喪失を認知できず、墜落した。地面に衝突する直前にこれに気付き、最大の回復操作を試みたが事故を回避することはできなかったと判断される」と説明した。
この関係者は、「前席のパイロットは約860時間の飛行記録を持つ編隊長クラスのパイロットで、事故機については約400時間、操縦した経験がある。事故当時、後席に乗っていたパイロットは、前席のパイロットから頼まれて航法装置をチェックしていたものと判断される」と語った。
今回事故を起こしたRF4C偵察機は、水原基地を離陸後、全羅北道任実上空で低高度写真撮影の任務を遂行していたが、正午過ぎごろ、全羅北道任実郡雲岩面付近の山中に墜落し、パイロット二人が殉職した。
張一鉉(チャン・イルヒョン)記者