【社説】北は延坪島での砲撃訓練の意味を読み違えるな
韓国軍当局は18-21日のうちの1日を選び、延坪島南西の海上で、海兵隊によるK-9自走砲射撃訓練を行うことにした。北朝鮮が先月23日に延坪島を砲撃した際、北側が理由として挙げていたのもこの訓練だったが、今回も同じ場所で、同じ方法により訓練を行うことになった。
朝鮮人民軍は17日、「(韓国が)延坪島での砲撃を強行した場合、第2次、第3次の予想外の自衛的攻撃が行われるだろう」という内容の通知文を送付してきた。北朝鮮は最近も、「延坪島の南側海上も自分たちの領海」ということを理由に、韓国軍による射撃訓練を挑発行為と見なし、「さらに恐ろしい火の雷を落としてやる」と脅迫していた。
韓国軍海兵隊が西海5島に駐屯するようになってから数十年間、ほぼ毎月、同じ場所で同じような訓練が行われてきた。北朝鮮もそれくらいは知っているはずだが、これを突然挑発だと主張するのは、明らかに言いがかりだ。大韓民国は1953年から、北方限界線(NLL)より南の海上を実効支配しており、これには当然、延坪島の南方海上も含まれている。ここを北朝鮮が突然、「自分たちの領海」と主張する根拠など、どこにも存在しない。
民主労働党と複数の左翼団体は、「韓国軍が延坪島で射撃訓練を再開するのは、延坪島への再砲撃を甘受するのと変わらない」と主張し、訓練の中断を要求しているが、これは自分自身の考えを北朝鮮に売り渡す愚かな行為だ。今のうちに韓国軍が通常の軍事訓練を行い、北朝鮮に対してこれを通常のものとして受け入れさせ、従来通り原状回復しておかなければ、大韓民国の安全保障はいつ崩壊するか分からない。
米統合参謀本部のカートライト副議長は、「われわれが憂慮するのは、北朝鮮がネガティブな方法で反応し、砲撃や対応射撃といった連鎖反応を起こす可能性があるという点だ」と発言した。北朝鮮が再び挑発行為を行ってくれば、それに対して2倍、3倍規模の報復を行うことも重要だが、それよりもさらに重要なことは、挑発行為そのものをできないようにすることだ。そのためには、韓米両国軍が強い意志と完璧な防御態勢を整えておかなければならない。北朝鮮がこちら側のそのような態勢を目にすれば、判断を誤ることがないかもしれないからだ。