北朝鮮砲撃:韓米両国軍「延坪島での訓練は予定通り」(下)

有事の際には北朝鮮の海岸基地に報復

 現在、全軍の指揮官には万一の事態に備え、非常待機態勢に入るよう指示が下されている。先月23日に北朝鮮による奇襲砲撃で二人の戦友を失った海兵隊延坪部隊は、北朝鮮が再び砲撃を仕掛けてきた場合、数倍にして報復する覚悟だ。これは韓国軍筋が明らかにした。合同参謀本部の関係者は、「北朝鮮が再び挑発してくることに備え、陸海空軍が合同で、自衛権次元での強力かつ断固とした報復態勢を整えて訓練に臨む」との意志を明確にした。

 韓国軍当局は、北朝鮮が再び挑発してきた場合、延坪島に配備されたK-9自走法や多連装ロケット(MLRS)だけでなく、F15K戦闘機に装着されたミサイル(SLAM-ER)と精密誘導爆弾(JDAM)で標的を攻撃することや、あるいは艦艇からの艦砲射撃で砲撃を加えるなどの対策を積極的に検討している。MLRSはロケット1発に手榴弾と同じ威力を持つ数百発の子弾が入っており、サッカー場2面ほどの面積を焦土化することができる。MLRSは1門で12発のロケットを連続発射できる。

 米国は韓国軍による延坪島砲撃訓練について、「主権国家の基本的な権利」として、これに対する支持の立場を明確にしている。北朝鮮が再び延坪島を砲撃してきた場合、韓米同盟の次元で韓国軍による軍事行動を容認するとの考えも示唆した。米統合参謀本部のカートライト副議長は16日、今回の訓練に北朝鮮が攻撃的な反応を示した場合、「連鎖反応」が起こる可能性があると述べた。これは、米国が韓国軍の軍事行動を容認するとの考えを反映したものだ。今回の訓練には米軍から教官やオブザーバーなど20人以上が現場に派遣されるが、これも非常に異例の事で、米国による上記の立場が明確に表れている。

 ワシントンの外交筋は、「米国はこれまで北朝鮮が挑発行為を行ったとしても、韓国による軍事報復を押さえることが多かったが、先日の延坪島砲撃は、このような米国の考えを変えてしまった。米国は全面戦争に拡大することは警戒しているが、挑発を行った北朝鮮の海岸軍事基地への攻撃には反対しないだろう」と述べた。

ユ・ヨンウォン軍事専門記者

ワシントン=李河遠(イ・ハウォン)特派員

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朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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