視覚に障がいのある方に。

視覚に障がいのある方も使いやすいよう、iPadには画期的な画面読み上げ機能をはじめ、革新的なアクセシビリティ機能が用意されています。

VoiceOver

iPad displaying VoiceOver settings. The VoiceOver and Speak Hints buttons are on. Three instructions appear: To select an item touch it. To tap the selected item, double-tap. To scroll, flick three fingers.

iPadには、iPhoneと同じ画面読み上げ機能VoiceOverが標準で搭載されています。VoiceOverは、ジェスチャーによる操作を可能にした世界初の画面読み上げ機能です。VoiceOverがあれば、画面を見なくてもiPadを楽しみ、その便利な機能を活用していただけます。

VoiceOverを使えば、シンプルなジェスチャーで画面上のアイテムを操作できます。キーボードコマンドを覚えたり、矢印キーを何度も押してアイテムを探したりする必要はありません。画面に触れるだけで、指の下にあるアイテムを説明する音声が聞こえます。それにそって、ダブルタップ、ドラッグ、フリックといったジェスチャーでiPadを操作していきましょう。

iPadのVoiceOverを使うと、画面上のオブジェクトと直接対話できるので、オブジェクトの位置や前後関係が自然にわかるようになります。例えば、画面の左上部分に触れると、ウェブページの左上部分に何があるかを音声が知らせます。画面上で指先をドラッグしていくと、近くに何があるかがわかるので、位置関係や相互関係をまったく新しい感覚で把握できます。

iPadのVoiceOverは、バッテリーの残量、ネットワークの信号強度、現在時刻など、デバイスのステータス情報も、ディスプレイが横向き表示から縦向き表示に切り替わった時や、画面がロック/ロック解除された時も音声で通知します。

話す速さを調節する

VoiceOverが話す速さは調節ができるので、一番聞き取りやすい速度に設定することができます。また、アプリケーションが開いた時、画面が更新された時、ダイアログが表示された時などは、わかりやすいサウンドエフェクトでお知らせします。VoiceOverが話している時は、バックグラウンドで再生される音や音楽の音量が自動的に下がって音声よりも小さくなるので、VoiceOverの声は常にはっきりと明瞭です。

Two bubbles: 1) App Store. Two new items. Double-tap to open. 2) Mail. Seven new items. Double-tap to open.

あなたの国の言葉で話します

VoiceOverは、次の13か国語に標準で対応しています。

  • 中国語(中国)
  • オランダ語
  • 英語(オーストラリア)
  • 英語(英国)
  • 英語(米国)
  • フランス語(カナダ)
  • フランス語(フランス)
  • ドイツ語
  • イタリア語
  • 日本語
  • ロシア語
  • スペイン語(メキシコ)
  • スペイン語(スペイン)

VoiceOverを使うには

VoiceOverはiPadに組み込まれているため、追加購入やインストールは一切不要です。必要なのは、iPad、iTunes 9.1以降、そしてMacまたはWindowsパソコンのみです。iPadのアクティベーションとVoiceOverを有効にする設定は、iTunesと画面読み上げ機能(Mac OS Xでは付属のVoiceOver、Windows XPとWindows Vistaでは別売りのGW-Micro Window-Eyes®など)を使って、簡単に行えます。iTunesでiPadのアクティベーションが完了したら、iPadのVoiceOverを有効にして、すぐに使い始めましょう。ホームボタンを3回クリックすることでVoiceOverのオンとオフを切り替えるオプションも選べます。一般ユーザーは、iPadの「設定」にある「アクセシビリティ」メニューを直接操作することでVoiceOverをオンにできます。

VoiceOverのしくみ

VoiceOverを有効にしたら、ジェスチャーでiPadをコントロールします。例えば、ボタンをタップしてアクティブにする代わりに、ボタンをタップして説明を聞き、ダブルタップしてアクティブにし、上下のスワイプでスライダを調節することができます。

画面上の項目を選択すると、その周囲にVoiceOverカーソルと呼ばれる黒い長方形が表示されます。VoiceOverカーソルは、視覚に障がいのある方とiPadを共有する一般ユーザーのためのものです。プライバシーを重視する場合は、画面カーテンでディスプレイ表示をオフにして、ほかの人が画面を読めないようにすることもできます。

画面に触れてドラッグするだけでなく、画面を左右にフリックしてVoiceOverカーソルを前後の項目に移動することもできます。この機能は大小すべての項目に対応します。指先での選択が難しい場合でも、画面をフリックすることで、音声で聴いた項目を正確に選択できます。

テキストの入力

Eメールのメッセージやメモなどのテキストを入力する時は、指で触れたキーボードのそれぞれの文字をVoiceOverが読み上げ、入力時にもう一度読み上げて確認します。タッチタイピング機能を有効にすると、指を持ち上げた時に聞こえた最後の文字が自動的に入力されます。入力時に、各文字の代わりに、または各文字に加えて、完成した単語をVoiceOverに読ませることもできます。テキスト内で上下にフリックすると、挿入ポイントが左右に移動します。VoiceOverを使えば、新規テキストの入力と同様に、単語の編集も簡単かつ正確です。

さらにスピーディーで正確な入力のために、スペルが間違っている場合は、修正候補をお知らせします。「自動修正テキストを読み上げる」機能を有効にすると、サウンドエフェクトと修正候補を自動的に聞くことができます。修正候補を無視してそのまま入力を続けることも、スペースキーを押して候補を入力することも可能です。

Two fingers touching a iPad display and a counter-clockwise arrow indicating how to enter a rotate gesture.

ローター

VoiceOverには「ローター」と呼ばれる革新的なバーチャルコントロール機能があります。ダイヤルを回すように画面上で二本指を回転させると、選択した設定をもとに、VoiceOverが文書内の項目を読み上げる方法を変更できます。例えば、上下にフリックすると、VoiceOverがテキストを一語ずつ読み上げます。一方、「文字」設定を選択すると、画面を上下にフリックするたびに、VoiceOverがテキストを一文字ずつ読み上げます。これは、テキストの校正や編集に最適です。

ローターを使ってウェブページ上を移動することもできます。ウェブページを表示すると、ヘッダ、リンク、フォーム要素、画像などの一般的な項目の名前をローターが認識します。設定を選んで画面を上下にフリックすれば、ページ上の同じ項目に直接移動したり、間にある項目を飛ばすこともできます。

アプリケーション

VoiceOverは、Safari、メール、App Store、iTunes、iPod、カレンダー、メモなど、iPadに標準搭載されているすべてのアプリケーションと連係します。そのため、ネットサーフィン、友だちへのEメール送信、カレンダーの管理、新しいアプリケーションのダウンロードや読書など、様々な操作ができるようになります。さらにAppleは、より多くのアプリケーションがVoiceOverに対応するよう、iPad向けソフトウェアのデベロッパとの協力を続けています。 さらに詳しく

iBooks

無料でダウンロードできるiBooksアプリケーションを使えば、電子書籍をiPadにダウンロードしたり、iPad上で整理したり、読むことができます。iBooksはVoiceOverに完全に対応しているため、電子書籍を13か国語で読み上げます。あなたが読みやすいように、iBookをカスタマイズするのも簡単です。縦向きと横向きの表示の切り替えや、フォントのサイズや種類の変更も自由自在。黒地に白でテキストを表示するオプションもあります。新しい書籍を追加したい時は、iPadからiBookstoreに直接アクセスし、VoiceOverを利用してストアの中をチェックしてみましょう。

ズーム

iPad showing springboard zoomed 200%.

多くのiPadアプリケーションでは、メールの画像やSafariのウェブページカラムなど、様々な要素を拡大、縮小できますが、ズーム機能を使うと、使用中のアプリケーションの画面全体を拡大し、見やすくすることができます。iPadでズーム機能を有効にするには、iPadのセットアップ時にiTunesで設定するか、iPadの「設定」アプリケーションの「アクセシビリティ」メニューで設定します。

ズーム機能は、ホーム、ロック解除、Spotlight検索を含むすべての画面のほか、App Storeから購入したアプリケーションでも使えます。

ズームの使い方は簡単です。三本指でダブルタップすれば、画面を200%まで拡大できます。三本指でダブルタップしてドラッグすれば、100%から500%の範囲で拡大率を自由に調節できます。拡大表示した状態でも、フリック、ピンチ、タップなど、使い慣れたiPadジェスチャーを使ってお気に入りのアプリケーションを操作できます。ズーム機能は、黒地に白の画面表示と自動修正テキストの読み上げでも使えます。

iPad showing springboard reversed.

黒地に白

iPadには、ハイコントラスト表示を好む方のために、黒字に白の表示に変更するオプションも用意されています。この白黒反転の表示効果は、ホーム、ロック解除、Spotlight画面を含むすべてのアプリケーションで使用でき、ズーム機能、VoiceOver機能と組み合わせることもできます。

自動修正テキストの読み上げ

iPadは、テキストの入力と同時に入力候補を表示します。スペルが間違っている場合は自動的に修正します。「自動修正テキストを読み上げる」機能を使えば、この入力候補を読み上げるので、表示と同時に音声で聞くことができます。聞いた候補をそのまま入力する場合は、入力を中断する必要はありません。「自動修正テキストを読み上げる」機能は、VoiceOverやズーム機能を使っていない時でも有効にできます。

触れて識別できるボタン

iPadには、触るだけで簡単に識別できるボタンがついています。本体上部にはスリープ/スリープ解除ボタン、右側上端にはスクリーン回転ロックと音量調節ボタン、ディスプレイの下部中央にはホームボタンがあります。

Earbuds with clickable microphone built into the cable.

様々なヘッドセットに対応

iPadは、Apple純正イヤフォンや高性能なカプセル型マイクをケーブルに内蔵したインイヤー式ヘッドフォンなど、様々なヘッドセットに対応しています。ヘッドセットについているカプセル型マイクをクリックすると、対応しているアプリケーションで音楽の再生をコントロールしたり、音声を録音することができます。

音声アラート

iPadには、Eメールの送受信やカレンダーのイベントリクエストを通知する音声アラート機能があります。キーボード入力をクリック音で確認するオプションも用意されています。

アクセシブルなiPadユーザガイド

iPadユーザガイドは、アクセシビリティを考慮して作られています。普段使っている画面読み上げ機能とウェブブラウザを使って、Mac、Windowsパソコン、iPadでHTML形式のiPadユーザガイド(英語)を読むことができます。また、iPadのiBooksアプリケーションでVoiceOver機能を使えば、ePub形式で聞くこともできます。iBooksはApp Storeから、ユーザガイドはiBookstoreからダウンロードでき、どちらも無料です。Mac OS Xのプレビューアプリケーションや、MacとWindows用のAdobe Acrobatを使って、タグつきPDF形式(英語)で読む方法もあります。