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【菅政権考】言葉の軽さ 抜けない野党気分 (2/3ページ)
◇縁組破談の元凶は…◇
真打ちは、やはり仙谷由人官房長官(64)だ。「耳をほじくって」「柳腰」「拙劣な質問」「健忘症」「暴力装置」…と飽くことなく失言と嘘を繰り返し、開き直っては陳謝してきた。
その揚げ句、10日の閣議では、閣僚が国会で虚偽答弁をした場合の政治的・道義的責任について「答弁の内容いかんによる」とする答弁書まで決定した。
嘘をついても、必ずしも責任は問われないのだと政府が公式にお墨付きを与えた形だ。
こうした仙谷氏の不誠実な姿勢によって、当初は民主党に秋波を送っていた公明党も、菅政権はパートナーたり得ずと見放してしまった。
そこで首相は6日の記者会見で、「社民党、あるいはすでに連立をしている国民新党との関係を、より緊密かつ戦略的にとらえていく」と表明した。
衆院で再議決が可能な3分の2以上の勢力を確保するために、なりふり構わず離縁した相手である社民党に復縁を求めたわけだ。
ところが、ここでも仙谷氏の失言がブレーキとなり、社民党にもふられそうだ。仙谷氏は13日の記者会見で、米軍基地負担について「沖縄の方々に甘受していただく」と述べたのだ。
広辞苑によると、「甘受」とは「さからわずに甘んじて受けること(もとは、快く受ける意)」とある。当然のごとく沖縄側は「他人に言われる筋合いはない」(仲井真弘多知事)などと一斉に反発した。
「今までの失言で一番ひどい。沖縄に対する『超』上から目線の発言だ」
社民党の福島瑞穂党首(54)は15日の記者会見で、こう厳しく批判した。沖縄は社民党にとって貴重な票田とあって看過できなかったようで、福島氏は周囲に「あんまり言いたくないんだけど…」と漏らしている。
首相も仙谷氏も、何とか責任ある言葉遣いと所作を身につけない限り、今後も同じ過ちを繰り返すことになるだろう。
(政治部 阿比留瑠比)