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「格下執行部」を手玉…“壊し屋”独り舞台

岡田幹事長との会談後、仙台市に到着した民主党の小沢元代表
岡田幹事長との会談後、仙台市に到着した民主党の小沢元代表
Photo By 共同

 民主党の小沢一郎元代表は17日、岡田克也幹事長の国会招致要求を退け、菅直人首相との直接対決に駒を進めた。「格下」と対するかのように党執行部を手玉に取るさまは“壊し屋”の独り舞台とさえ映る。首相らは招致議決で小沢氏を追い込む構えだが、それもスムーズに運ぶ保証はなく、展望は開けてこない。

 国会近くの小沢事務所。会談は終始、小沢氏のペースで進んだ。

 岡田氏「裁判で説明するから衆院政治倫理審査会には出なくていいというのはおかしい」

 小沢氏「考え方の違いだな。裁判で粛々と戦っていく」

 岡田氏「首相を含めて、もう一度話していただけないか」

 小沢氏「首相が会うというなら用意はある」

 岡田氏は「この問題が来年の通常国会の妨げになる」と食い下がったが、小沢氏に「国会運営とか選挙は幹事長が責任を持ってやることだろう」と反論されると「それはその通りです」としか返せなかった。

 会談に至る経緯もすべて小沢氏のシナリオ通り。午後2時に文書で拒否回答を受けた岡田氏は再度面会を申し込み、30分後、会談場所に指定された小沢事務所に急行した。しかし小沢氏は別の事務所で待機し、岡田氏を約20分待たせてから登場。「ためこんでいた岡田氏への不満を一気に爆発」(参院中堅)させると地元日程に備えて早々に会談を切り上げ、JR東京駅へ向かった。

 会談後、岡田氏は「先輩ですから。じっと待ちました」と苦渋の顔。一方、小沢氏は周辺に「もう終わったからバタバタするな」と余裕を見せた。「巌流島の決闘」をほうふつさせる展開に小沢氏側近は「岡田氏は党内の笑いもの。これで“岡田首相”の芽はなくなった」とほくそ笑む。

 小沢氏の正式な拒否表明で焦点は政倫審の議決に移るが、小沢氏支持派の反感は募っており、波乱含みだ。

 衆院政倫審(25人)の現在の構成は民主党17人、自民党7人、公明党1人。審査会は委員の過半数(13人)の出席がなければ成立しない。仮に野党が欠席に回った場合、民主党の17人が全員出席すれば開会に支障はないが、5人以上が欠席すれば開催できなくなる。

 委員には川内博史、三宅雪子両氏ら小沢氏支持派4人のほか、党代表選で小沢氏に投票した議員が複数いるという。確実に小沢氏の招致を決めるには委員の差し替えが必要だが、対象となる議員が反発するのは必至で、混乱は避けられない。

Yahoo!ブックマークに登録 [ 2010年12月17日 20:08 ]

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