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包丁男が通学バス乱入「人生終わりにしたかった」
中高生らが切りつけられたり殴られたりした2台のバス
Photo By 共同 |
茨城県取手市のJR取手駅西口で17日朝、停車していた関東鉄道の路線バス2台に包丁を持った男(27)が次々と乗り込み、乗っていた江戸川学園取手中・高校の生徒らを切りつけ14人がケガをした。乗客の男性に取り押さえられ、県警が殺人未遂容疑で現行犯逮捕した男は「自分の人生を終わりにしたかった」などと供述。県警は、乗客らを無差別に殺傷しようとしたとみて詳しい動機や状況を調べている。
逮捕されたのは、茨城県守谷市の無職斎藤勇太容疑者。調べに対し、「自分の人生を終わりにしたかった。不特定の人を包丁で傷つけたのは間違いない」と供述。また、「殺すつもりまではなかった」と話している。
県警によると、父親と2人で暮らしていた自宅を数日前に出て「野宿していた」という。17日は守谷市内から現場まで歩き、所持金もなかったらしい。県警は同日、自宅を家宅捜索。詳しい動機などの裏付けを進める。
02年3月に県立高校の工業科を卒業。守谷市の新興住宅地には約20年前に引っ越してきた。両親と姉と一緒に住んでいたが、母親は4、5年前に死亡。住民によると、姿を見せることは少なく、言葉を交わすこともほとんどなかった。近くの女性は「髪は肩まであり、ひげも伸び放題だった」、別の女性は「無口。半年ぐらい前に自転車に乗って出掛けるところを見掛けた。その時以来、見ていない」と話した。
事件現場は西口のロータリー。17日午前7時40分ごろ、江戸川学園取手中・高校行きのバス中央部にある扉から乗り込んで暴れ、約50人の生徒でほぼ満員だった車内には「ぎゃー」という悲鳴が響いた。バス中央の入り口に立っていたオールバックの男が発車の合図とともに切りつけ、生徒は頭や腕を切られた。
逃げる生徒を追いかけるようにいったん降車。ロータリーで通行人に暴行した後、今度は取手駅西口着のバスに前部扉から乗り込んだ。車内に残っていた乗客ともみ合いになり、20代の男性2人に取り押さえられた。
斎藤容疑者が最初に乗り込んだバスの運転手石塚洋さん(42)は「周りの人に気づいてもらおうとクラクションを鳴らした」と興奮した様子で話した。
負傷者は会社員2人を含む14〜59歳の男女計14人でいずれも軽傷。斎藤容疑者本人も右手にケガをし、凶器の文化包丁1本(全長約25センチ)のほか、果物ナイフ(同約20センチ)を持っていた。
生徒11人がケガをした江戸川学園取手中・高校は臨時休校にした。同学園の高校野球部は甲子園に出場したことがある。
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