ワシントン(CNN) 米ホワイトハウスの周辺で16日、数百人が参加する反戦デモが行われ、100人以上が逮捕された。
このデモは、米国の機密情報を公表したウィキリークス(WL)の創設者、ジュリアン・アサンジュ容疑者への支持を訴えるものでもあった。デモは平和的に行われたが、終了後、警察から解散を指示された後も立ち退かなかった参加者らが逮捕されたという。
警察当局は、逮捕者は131人おり、ほとんどは罰金100ドルを支払えば釈放されるとしている。
逮捕者の中には、1971年にベトナム戦争に関する国防総省の極秘報告書「ペンタゴン・ペーパーズ」を米紙ニューヨーク・タイムズに漏えいし、一躍有名になった元軍事評論家ダニエル・エルスバーグ氏(79)も含まれている。同氏は、今回の逮捕はペンタゴン・ペーパーズ事件以来80回目になると話している。
エルスバーグ氏はデモ前に会見を開き、WLの活動とペンタゴン・ペーパーズ事件には共通点があるとの考えを示していた。同氏は、WLの情報暴露は「大きな称賛に値する行動だと考える」としたうえで、WLに情報を提供した人物は「米国民に伝える」という義務感から行動に出たのだろうと語った。
ペンタゴン・ペーパーズ事件では、ニューヨーク・タイムズ紙が当時のニクソン政権から非難の的とされた。しかし最終的には、最高裁がペンタゴン・ペーパーズを報道する同紙の権利を認める判決を下した。