ロッテマート、激安チキンの販売中止へ
ロッテマートは13日、まるごと1羽5000ウォン(約370円)でのフライドチキンの販売を16日から中断すると発表した。零細業者の生存権を侵害しているとの批判に耐え切れず、販売を取りやめる形となった。
ロッテマートは、今月9日から全国82カ所の店舗でフライドチキン1羽分を5000ウォンという安値で販売していた。これに対し、韓国フランチャイズ協会は、ロッテマートにダンピング(不当廉売)の疑いがあるとして、公正取引委員会への申告も辞さない姿勢を示していたが、同協会は販売中止の決定を受け、申告を見合わせることを明らかにした。これにより、零細業者が生存権を奪われると主張した今回の「チキン論争」は終息に向かう見通しとなった。
ロッテマートは当初、市中のチキン専門店による組織的反発に対し、「これまでのチキン価格のバブル部分を取り除き、庶民に恩恵を与え、物価安定に寄与する商品だ」などと主張したが、「公正な社会」「共生成長」を掲げる現政権の政策基調にも反するため、主張の維持が難しくなった。
ロッテマートがチキンの安値販売の中止を決めたことで、今年8月から大型ピザを1万1500ウォン(約840円)で販売しているイーマートも緊張している。ロッテマートがチキンの安値販売を始めたのも、元はイーマートのピザに対抗するためで、イーマートは「ピザはよくて、チキンは駄目なのか」といった批判にさらされている。
イーマート側は、「ピザはチキンとさまざまな面で異なる」と主張している。ピザは設備コストがかかり、零細業者が参入しにくい上、材料コストが価格の30%台にとどまり、価格を引き下げる余地があったとの論理だ。イーマート幹部は「材料コストを公表しており、ピザのコストは販売価格の84%だ」と説明した。また、ピザ市場はライバルの多くが外資系である点も、チキン市場とは違う。
チキンの安値販売は、わずか1週間ではあったが、大きな論争を呼び、さまざまな流行語を生むなど、社会現象を起こした。一方で、タレントの少女時代などギャラが数億ウォン(数千万円)に達する広告モデルを採用し、価格が割高な大手のチキン販売チェーン店に対しては、消費者から「価格の無駄を省け」という声が高まる可能性もあり、今後の動向が注目される。
キム・ドクハン記者
ソン・ヒョン朝鮮経済i記者
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