ここから本文です

意外と近所迷惑!? 全身で遊ぶ新体感ゲーム「Kinect」を狭い部屋で楽しむコツ

nikkei TRENDYnet 12月17日(金)11時8分配信

意外と近所迷惑!? 全身で遊ぶ新体感ゲーム「Kinect」を狭い部屋で楽しむコツ
コントローラーを使わずに遊べるマイクロソフトの新感覚ゲームシステム「Xbox 360 Kinect センサー」(以下、Kinect)。北米では2010年11月4日に、日本では11月20日に発売され、発売から25日間で250万台以上を売り上げ...
 コントローラーを使わずに遊べるマイクロソフトの新感覚ゲームシステム「Xbox 360 Kinect センサー」(以下、Kinect)。北米では2010年11月4日に、日本では11月20日に発売され、発売から25日間で250万台以上を売り上げた。今年の年末商戦では500万台の販売を見込む。日本でも尻上がりに調子を上げている。マイクロソフトのホーム&エンターテインメント事業本部 Xboxマーケティング本部プラットフォーム マーケティンググループマネージャーの井上正之氏は、「購入者アンケートでは満足度が高く、“思った以上に感度が良い”と高評価をもらっている」と手応えを感じている。

【詳細画像または表】

 コントローラーなしでどうやって遊ぶのか。Kinectは、同社の家庭用ゲーム機「Xbox 360」に取り付けてテレビの下や上に設置して使う。赤外線で対象者との距離を測るセンサーやカメラを使ってプレイヤーの体全体の動きを検出する。4つのマイクを内蔵しており、声で操作することも可能だ。任天堂の「Wii」やソニー・コンピュータエンタテインメントの「PlayStation Move」と似ていると感じる人もいるだろうが、コントローラーがない分、より直感的で全身を使って遊ぶのが大きな違いだ。

全身を使うとかなりハード、コツがつかみにくい

 Kinectの実力を存分に体験できる「Kinectスポーツ」(希望小売価格:5880円)を試した。Kinectを42型の液晶テレビの下にセット。Kinectは0.6〜1.8メートルの高さに置くことを推奨している。今回は、70cmくらいの高さに置いてプレーした。手を動かしてカーソルを移動させ、その場で数秒カーソルを固定するとメニューが選択できる。休憩したいときは、左手を斜め下の方に出して静止する。基本的なメニュー操作は直感的で迷うところがない。数秒カーソルを固定するのが難しいが、ボタン自体が大きくなっているので、少し動いても問題はない。

 サッカー、ビーチバレー、陸上競技、卓球、ボクシング、ボーリングの6種目を1時間以上かけて、すべて挑戦してみたが、思った以上に疲れた。日頃から運動はしているつもりだが、息があがるときもあるほどだ。サッカーは実際にボールを蹴るように足を振り、守備では体全体を右へ、左へ動かす。ヘディングもタイミングを合わせて上体を反らしてから頭を振る。丁寧にインサイドキックをすれば、思った方向に蹴れるのは、実際にサッカーをしているようだ。ビーチバレーはその場でジャンプしてアタック。タイミングを合わせるのが難しく、少しだけ速く飛ぶと最高到達点でボールを叩けた。

 百メートル走ややり投げなどを含む陸上競技は、その場で足を高く上げて走る。一生懸命、高く、速く足を上げれば上げるほどタイムが短くなる。勢い余って前に出てしまうこともあった。やり投げは、なるべく速く助走し(もちろんその場で)、決められたエリアでやりを投げるように素早く腕を振る。タイミングが難しく、50メートル、60メートルほどしか投げられなかったが、上手くやれば100メートルは超えられるという。

 マイクロソフトのホーム&エンターテインメント事業本部 Xboxマーケティング本部広報宣伝グループPRマネージャーの石山和美氏によると、やり投げのコツは腕を横から出すこと。センサーに反応しやすく、かつ距離を稼げるという。石山氏によると、Kinectのチュートリアルをよく読むと好成績を出せるようになるとのことだ。

 「他社の体験ゲームよりもコツをつかむのが難しい。ゲームを上手にするには、どうしてもコントローラーに慣れないといけなかった。Kinectはコントローラーの習熟度の差がないため、3歳や4歳の子供と大人が同じレベルで楽しめる」(井上氏)。

 Kinectスポーツは、2人対戦や協力プレーが可能。プレー後には撮影した映像が映し出される。思い通り動いていない体や必死の顔を見るのは面白い。家族や友人と一緒に遊べば盛り上がるだろう。映像はネットにアップすることもできる。複数人で遊ぶ場合は、WiiやMoveのように複数のコントローラーがいらないのもKinectならではの特徴だ。

静かに楽しめるようなタイトルや工夫がある

 新感覚で未来的なKinectだが、日本の住宅事情を無視していると思う人が多いのではないだろうか。部屋の中で実際に飛んだり跳ねたりすれば、集合住宅であれば、近隣に迷惑をかけてしまう。また、テレビから1.8メートル、2人で遊ぶ場合は2.5メートル離れないといけない。狭い部屋で遊ぶのは難しそうだ。

 井上氏は「日本でも心配せずに使ってほしい」と語る。その理由として、Kinectスポーツは、すべての競技が飛んだり跳ねたりするものではなく、ボクシング、卓球、ボーリングは上半身だけの動作で楽しめる。ほかのタイトルも同じように、大きな音がたってしまうゲームと、そうでないものをバランス良く収録している。大きな動作を必要としないタイトルもある。代表的なのがバンダイナムコゲームスの「体で答える新しい脳トレ」。頭と体を使って、様々な問題を解いていくゲームだ。それでも音が気になる人のためには、音がたたないようにする専用のマットなどをオプションで用意する可能性があるという。

 距離については、「環境によりますが、テレビの上に設置すれば1.6メートルほどでも楽しめる」(井上氏)とのこと。ビーチバレーや陸上などは熱中しすぎると、無意識に前の方に体が動いてしまう。前にでると、後ろに下がるようにアラートが出る仕組みだ。遊ぶときだけテーブルをどかしたりするのは面倒だが、「スペースをとってもらうだけの価値はある」(同)とのことだ。

 現在、カタログにはKinectアドベンチャーを含めて12タイトルが掲載されている。目玉は全身を使ったKinectスポーツやコナミの「DANCE EVOLUTION」だ。スポーツ、ダンスなど全身を動かすという点ではKinectとの相性はいい。実際に体験してKinectの新しさは分かったが、ゲームの考え方は既存のWiiと大きな違いが今ひとつない。Kinectならではの体験をもっと引き出すソフトが今後登場することを期待したい。

Video Kinectも便利、Zuneビデオもスタート

 Kinectのもう一つの活用方法が、ビデオチャット機能の「Video Kinect」だ。KinectユーザーやWindows Messengerユーザーとビデオチャットができる。話している人の顔にフォーカスし、少し動いても話している人を追従する。利用料は無料だ。

 今年の11月1日に始まったXbox 360用の映画配信サービス「Zuneビデオ」の操作もKinectでできる。音声認識で再生や一時停止などが可能。Xbox LIVEのパーティー機能を使えば、オンラインの友人と一緒に同じ映画を鑑賞できる。決済にはマイクロソフトポイントを使う。価格はSD映像が210〜280ポイント、HD映像作品は350〜420ポイント。レンタル作品は、初回再生開始から24時間以内であれば、何度でも視聴できる。

(文/三浦善弘=日経トレンディネット)


【関連記事】
PlayStation 3がBlu-ray 3D再生に対応 PS3で体験できる3Dの魅力に迫る!
任天堂の3D携帯ゲーム機「ニンテンドー3DS」、新しい装備や機能を実機でチェック!
任天堂、メガネなしで3Dプレーできる新型携帯ゲーム機「Nintendo 3DS」を2011年2月発売
東京ゲームショウ2010、4日間の入場者数は20万7647人【TGS 2010】
Kinectショックと多数の話題作でTGSを席巻したマイクロソフト【TGS2010】

最終更新:12月17日(金)11時8分

nikkei TRENDYnet

 
日経トレンディ

■雑誌記事提供(外部サイト)

日経トレンディ

日経BP社
2011年1月号 12月4日発売
特別価格:630円(税込)

ご購入について

個人生活を刺激する
流行情報誌

PR

carview愛車無料査定
PR

注目の情報


PR