2010年 12月 16日
一票の格差“違憲状態”と判断
今年7月の参議院選挙で地域によって一票の価値に最大5倍の格差があるのは憲法違反として選挙の無効を求めた裁判で広島高等裁判所岡山支部は16日、「違憲状態」という判断を示しました。この裁判は今年7月の参議院選挙で議員1人当たりの有権者が最も少なかった鳥取選挙区と最も多かった神奈川選挙区との間で5倍、岡山選挙区との間では3.25倍の格差が生じたのは憲法に違反するとして弁護士グループが選挙の無効を求めていたものです。訴えは全国14の高裁とその支部で起こされていて、これまでの判決では「違憲」や「違憲状態」それに「合憲」と、判断が分かれています。16日の判決で広島高裁岡山支部の高田泰治裁判長は「格差の許容限度は最大で3倍程度」との基準を示し、「投票価値の著しい不平等状態が生じていた」として「違憲状態」にあるとの判断を示しました。選挙の無効を求める訴え自体は退けました。判決について岡山県選挙管理委員会は「厳しい判断がなされたものと受け止めている。今後とも公正な選挙の管理執行に努めたい」とコメントしています。

下水道工事費未払い問題で懲戒処分
高松市が下水道工事業者に対して約2600万円の未払いがあった問題で市は、16日付けで下水道管理課の担当職員を懲戒処分にしました。減給10分の1・3カ月の懲戒処分を受けたのは高松市・下水道管理課の55歳の男性係長です。高松市によりますと工事費の支払いを担当していたこの係長は昨年度までの4年間、下水管の修繕工事などを行った34の業者に対し、約2600万円分の支払い手続きをしていませんでした。男性係長は「忙しさのあまり、どれが未払いなのかが分からなくなった」と話しているということです。また、この問題を受けて設置された市の調査委員会は未払いは下水道管理課以外にはなかったと発表し、点検業務の義務化や倫理研修の実施などの再発防止策を全ての部署に通知しました。

脳死心臓移植シミュレーション
今年7月、心臓移植の実施施設に認定された岡山大学病院で、16日、脳死心臓移植を想定したシミュレーションが行われました。シミュレーションは、九州地方の病院でドナーが現れたという想定で心臓血管外科の医師など約20人のスタッフで行われました。岡山大学病院は今年7月、心臓移植の実施施設に認定され、これまでマニュアルの整備などを進めていて今回初めて移動時間などを設定したシミュレーションを行いました。岡山大学病院によりますと心臓移植は摘出から移植までを4時間以内に行わなければならず、シミュレーションを通して受け入れ体制を整え移植手術に備えたいとしています。

知り合いを刺した男を逮捕
16日未明、岡山市で知り合いの男性を包丁で刺したとして38歳の男が殺人未遂の疑いで現行犯逮捕されました。逮捕されたのは岡山市東区富士見町の無職佐藤隆之容疑者(38)です。警察の調べによりますと佐藤容疑者は16日午前2時ごろ自宅で口論となった岡山市北区今保の無職中元政志さん(36)に殴られたことに腹を立て、包丁で背中を刺した疑いです。中元さんは病院で死亡が確認され、警察では容疑を殺人に切り替えて調べています。取り調べに対し佐藤容疑者は「やられるならやってやろうと思った」と供述し、刺したことは認めています。佐藤容疑者は中元さんと中元さんの交際相手の女性と飲食中で、警察では女性との交際を巡るトラブルと見て調べを進めています。

いぶきの里スキー場シーズンオープン
岡山県内のトップを切って新見市にあるいぶきの里スキー場が16日オープンしました。鳥取県との県境新見市千屋花見にあるいぶきの里スキー場は県内唯一の人工スキー場です。先月から行われた雪づくりでゲレンデは60センチほどの積雪となり、全長およそ400メートルの初級者コースは一面銀世界となりました。16日の千屋は朝から断続的に雪が降りまさにスキーシーズンの到来。スキーヤーらが思い思いのシュプールを描き雪の感触を楽しんでいました。いぶきの里スキー場は3月中旬まで滑走可能で、シーズン期間中約そ6万人のスキー客を見込んでいます。