2010年12月14日(火)放送 あきらめないで!脳卒中のリハビリ 食べるを楽しく安全に
きょうの健康
嚥下障害がある場合
 脳卒中では、手や脚などのほかに、舌やのどに麻痺が残って食べ物や飲み物をうまく飲み込めなくなる嚥下障害(えんげしょうがい)が起こることがあります。嚥下障害があると、通常は食道に入るはずの食べ物や飲み物が誤って気管に入る誤嚥(ごえん)が起こり、細菌のついた食べ物が肺に到達して誤嚥性肺炎を起こす危険性があります。そのため、脳卒中の後遺症で嚥下障害が確認された場合には、医師が症状や経過を見て、食べ物を食べられるかどうかを慎重に判断します。食べるのが難しいと判断された場合には、直接胃に栄養を補給する「胃ろう」という方法がとられることもあります。

うまく飲み込むための調理の工夫
 嚥下障害はあるが“食べられる”と判断された場合は、調理法や食べ方を工夫して常に誤嚥を防ぐ注意をすることが必要です。嚥下障害が軽度の場合にはとろみ状の飲み物や軟菜、明らかな嚥下障害がある場合にはゼリー状やペースト状の食事、というように調理を工夫します。

 飲み物の場合、水などの液体は誤って気管に入りやすいため、市販の「とろみ剤」を利用して、スプーンで垂らしたときにスーッと流れる程度のとろみをつけると誤嚥が起こりにくくなります。食べ物の場合は“軟らかなまとまり”のあるものを食べるようにします。「野菜は繊維を切る」「生で食べられるものも加熱する」「マヨネーズなどで和える」などの工夫で、患者さんと家族が一緒に食べられる料理を作ることも可能です。

誤えんのしくみ

えん下障害の程度に合わせた食事

とろみ茶

調理のポイント

なめらかポテトサラダ

スプーンの大きさ比較