概要:
ユビキタス・コンピューティングは実世界のさまざまな状況情報を自動的に取得し、それを人々の生活の質の向上に資する情報サービスに役立てようという情報通信技術のパラダイムです。これを実装するためには、RFIDやセンサーネットワーク等の超小型電子機器から実世界の状況情報を取得するだけでなく、それを活用した情報サービスを提供するクラウドサービスや、そのサーバシステムとセンサーやRFIDをつなぐネットワークも必要となります。今回、日本のインターネットの草分けであるWIDEプロジェクトの主要メンバーであり、またAutoID Lab. Japanにも参画されている、慶応義塾大学の中村修教授をお招きし、インターネットの最新動向とユビキタス・コンピューティングとの関係についてご講演いただきます。また、中村教授を囲んだパネルディスカッションでは、仮想化されたネットワークサービスとしてのクラウド・コンピューティングとユビキタスの関係、またIPv6とユビキタスといった話題について議論します。
コーディネータ:
保科 剛(日本ユニシス株式会社 最高技術責任者)
【プロフィール】1981年、日本ユニシス入社。数理計画・人工知能分野の研究、アプリケーション開発を担当。その後、オブジェクト指向開発環境「TIPPLER」トランザクショナルORB「SYSTEM ν」、 システム開発技法「LUCINA」、ASP事業「asaban.com」を企画・開発。2002年、ビジネスアグリゲーション事業部長。2003年、アドバンストテクノロジ本部長。2004年より現職。
講演者:
中村 修(慶応義塾大学教授 WIDEプロジェクト)
【プロフィール】慶應義塾大学環境情報学部教授兼政策・メディア研究科委員。1983年慶應義塾大学理工学部数理工学科卒業、90年同大学院理工学研究科数理科学専攻博士課程修了。工学博士。1987年より、大規模広域ネットワークの研究プロジェクトであるWIDEプロジェクトに参加し、インターネットに関する研究を行う。 2003年4月より、Auto ID Center JapanのAssociate Director。現在WIDEプロジェクトボードメンバー、電子情報通信学会インターネット研究会幹事、次世代超高速ネットワーク推進会議推進委員。
パネリスト:
中村 修(慶応義塾大学教授 WIDEプロジェクト)
平岩 賢志(株式会社日立製作所 情報・通信システム社 経営戦略室 事業戦略本部 ネットワーク統括部 部長)
【プロフィール】2007年より日立グループのネットワーク事業統括部門に所属、NGNを中心とする事業戦略、製品、ソリューション計画策定に従事。最近ではクラウドネットワーキングのアーキテクチャ、サービス/ソリューション開発に従事。工学博士。
竹井 淳(インテル株式会社 技術政策推進本部部長)
【プロフィール】1993年電気通信大学電子情報額研究科博士前期過程修了、同年日本通信衛星株式会社(現スカパーJSAT株式会社)入社、 2001年慶應義塾大学SFC研究所上級訪問研究員、2003年慶應義塾大学博士(政策・メディア)取得、 2004年WIDEプロジェクトボードメンバー、2005年よりインテル株式会社にて標準化政策および情報通信政策全般についての調査研究に従事。2009年より慶応義塾大学環境情報学部講師(非常勤)。