2010年12月13日(月)放送 あきらめないで!脳卒中のリハビリ 続けるコツは?
きょうの健康
脳卒中の後遺症「マヒ」
 脳卒中には様々な後遺症がありますが、中でも多いのが「マヒ」です。マヒは体の片側に起こることが多いので「片マヒ(かたまひ・へんまひ)」と言われます。マヒの重さは、脳卒中によって傷ついた脳の場所や大きさによって異なります。大きく三段階に分けられます。軽症のマヒの場合は、ピアノのように指を個別に動かす事が難しいなどの症状が見られます。また中等症のマヒでは、「指を開く」「ひじを伸ばす」「肩を上げる」など、体を伸ばす方向の動きがしにくくなる症状が見られます。

脳卒中の後遺症(一部)

マヒの重さ
リハビリの目的と期間
 リハビリでは、「重症」のかたは「中等症」を、「中等症」のかたは「軽症」を、「軽症」のかたはほぼ健康な状態を目指すというワンステップアップを目標にします。また、期間については新しいことが分かって来ました。以前は、発症から半年を超えるとリハビリの効果はほとんど期待出来ないといわれていましたが、現在では、半年をすぎてもわずかずつですが回復が期待出来ると考えられるようになってきています。長く根気よくリハビリを続けることがますます大切になってきています。

リハビリによる機能回復

リハビリによる機能回復
続けるコツは?
 「簡単すぎず難しすぎない運動をくり返しチャレンジする」ということです。そして、基本的なリハビリに加えて、「生活動作や趣味・仕事の動きを取り入れたリハビリを加える」ことで、より楽しくリハビリを続けることも出来ます。例えば、ゴルフが好きな人であれば、ゴルフクラブを小さく振るという動作をリハビリにすることもできます(※屋外を歩ける程度のマヒのかたが対象です)。また、床ふき用のモップなどで掃除をするときに、健康な手にマヒ側の手をそえて行うこともリハビリになります。ポイントは、「両手で出来ることを行う」こと。マヒ側の訓練も大切ですが、健康な側を使うことで、出来ることの範囲が広がります。“できるようになりたい”という気持ちが原動力となり、リハビリを続けていく励みになります。取り入れたい動作を見つけた場合は作業療法士などの専門家に相談し、工夫をしてリハビリを続けていきましょう。

続けるコツ

続けるコツ