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リニア「南アルプスCルート」に喜びと落胆の声 12月16日(木)

中間取りまとめの了承を受け、飯田市知久町の商店に張り出された「祝南アルプスルート決定」のポスター

 リニア中央新幹線のルート問題は15日、国の交通政策審議会小委員会が南アルプスを貫くCルートを「適当」とした中間取りまとめを了承し、ほぼ結論が出た。飯田下伊那地方では喜びの声が上がり、今後の地域振興に向けて気を引き締める人も。一方、諏訪、上伊那回りのBルートを要望してきた地域からは落胆の声が漏れた。

 「北信には長野新幹線が開通し、冬季五輪も開かれたが、この地方に恩恵はなく、交通の便が悪いままできた」

 下伊那郡根羽村の村観光協会長、片桐隆則さん(63)は長年の思いをかみしめるように話した。東京へ出るには飯田市まで車で1時間、さらに高速バスで4時間以上かかる。「リニアで人が出て行く心配もあるが、都市部に村を売り込む機会も増える」と期待を込めた。

 「子どもたちの将来のため何を残し、つないでいけるか。責任は重い」と話すのは、飯田市中心市街地の自治活動組織「橋南まちづくり委員会」の加藤尚弘会長(71)。南信州広域連合が主催したリニア将来構想検討会議に参加し、リニア駅設置を見据えた飯田下伊那地方の将来ビジョン策定に携わった。市街地に再び活気を取り戻すには「ビジョンをどれだけ実現できるかが大切になる」とした。

 信濃毎日新聞社はこの日、電子版号外(PDF号外)を発行し、JR飯田駅前などで配った。手にした同市桜町の森島恵子さん(20)は「これからは生活が便利になりそう」と期待を膨らませた。

 一方、南アルプスを貫くトンネル建設に向けて水平ボーリングが行われた同郡大鹿村大河原釜沢地区の自治会長、サイモン・ピゴットさん(60)は「リニアが通れば自然を大きく破壊する。自然を失えば、地区に新しい人が入ってこなくなる」と懸念した。

 「(東京−名古屋間の所要時間の)7分差はそんなに大きいのか…」。諏訪市のJR上諏訪駅前で客待ちをしていたタクシー運転手の男性(64)は肩を落とし、「諏訪に駅ができれば、松本の観光客も増えるのに」。岡谷市の会社員男性(51)は「諏訪では関心が薄かった。地域の盛り上がりで飯田との差は歴然」と認めながら、Bルート実現の望みは捨てていない。「今後は住民を巻き込む運動が必要だ」

 飯田、諏訪の間に位置する上伊那。駒ケ根市の市街地活性化に取り組む市民団体の会長、原正彦さん(66)は「『どちらでも構わない』『Cの方が現実的』という市民も多かった」と冷静に受け止めた。「Bルートだと地域が軌道で二分され、地域振興にマイナスだったかもしれない。トンネル掘削には鉱物や温泉が出る夢もある」と期待した。


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