2010年12月16日20時54分
国営諫早湾干拓事業(長崎県)で、潮受け堤防排水門の5年間の開門を命じた福岡高裁判決に対し、菅直人首相が上告断念を表明したことについて、篠原孝・農林水産副大臣は16日の記者会見で「手続き的には先に(地元に)説明に行って、というのはあってしかるべきだった」と述べた。
判決への対応について、農水省は当初、開門に反対する長崎県に16日に行って説明した後、17日の閣議で正式に決める方針だった。しかし、菅首相が15日に上告断念を表明し、同県の中村法道知事らが態度を硬化させていた。篠原副大臣は「総理は自ら判断されて、上告しないとさっさと記者会見されてしまった。我々の描いていた筋書きとちょっと違った」と話した。
長崎県議会は16日、首相発言の撤回と上告を求める決議案を可決。末吉光徳議長は同日、首相官邸でこの決議を古川元久官房副長官に提出した。