2010年10月18日 19時18分 更新:10月18日 21時49分
大阪地検特捜部の元主任検事による証拠改ざんを前特捜部長らが隠ぺいしたとされる事件で、1月末の改ざん疑惑発覚直後に前特捜部長らから報告を受けていた上司の小林敬検事正と玉井英章次席検事(当時、現大阪高検次席検事)に対し、法務省は監督責任を問う形で減給の懲戒処分とする方針を固めた。2人は既に辞意を固めているとされ、処分に合わせて退職する見通し。また、やはり監督責任があるとして太田茂・大阪高検次席検事(当時、現京都地検検事正)を戒告とする模様だ。
小林検事正と玉井次席検事は1月末に検察内部で改ざん疑惑が発覚した直後の2月2~3日、特捜部長だった大坪弘道容疑者(57)と副部長だった佐賀元明容疑者(49)=いずれも犯人隠避容疑で逮捕=らから報告を受けた。大坪前部長らが最高検に「証拠品のデータが誤って書き換えられた可能性があると報告した」と供述する一方、小林検事正らは「検事同士のトラブルと聞き、書き換えの話は聞いていない」と説明しているとされる。法務省は、いずれにしても上司としての監督責任があると判断した模様だ。
大坪前部長と佐賀元副部長については起訴に先立ち懲戒免職処分とすることが既に固まっている。法務省は処分や退職に併せて大規模な人事を近く発令するが、今後、処分対象がさらに広がる可能性がある。