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検事総長、年内に辞任 改ざん隠蔽事件で引責 '10/12/16

 検察トップの大林宏おおばやし・ひろし検事総長(63)が、大阪地検特捜部の証拠改ざん隠蔽いんぺい事件などの責任を取り、年内にも辞任する意向を固めたことが16日、検察関係者への取材で分かった。

 65歳定年の検事総長が任期半ばで引責辞任するのは極めて異例で、後任は笠間治雄かさま・はるお東京高検検事長(62)を軸に検討が進められている。

 厚生労働省の文書偽造事件の捜査に端を発する不祥事を受け、最高検が24日に検証結果を法相の私的諮問機関「検察の在り方検討会議」に報告するのに合わせ、大林総長は自身の辞任で体制を一新する必要があると判断したもようだ。

 大林総長はことし6月から現職。10月に柳田稔法相(当時)から信頼回復に向け努力するよう異例の指示を受けて謝罪したが、引責辞任については否定的な考えを示していた。

 証拠改ざん事件では、厚労省の元局長村木厚子むらき・あつこさんの無罪が確定した文書偽造事件の元主任検事や、改ざんを隠蔽したとして当時の特捜部長、副部長が相次いで逮捕・起訴されたほか、大阪地検検事正(当時)らが懲戒処分を受け辞任している。

 大林総長は一橋大卒。1972年に検事任官。法務事務次官、札幌、東京両高検検事長などを歴任した。東京都出身。




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