12日の県議選で、民主党の公認・推薦候補が獲得した20区の選挙区別の得票率は、政権交代に期待した無党派層が民主候補を支持した昨年8月の衆院選小選挙区で得た得票率に比べ、20区すべてでダウンし、半数を上回る13区で20ポイント以上減らしていたことが分かった。得票率下落は、風が吹いた水戸市や県南地区だけでなく、ひたちなか市区など連合茨城の強い民主基盤にも及んでいる。
得票率が最も下がったのは、取手市区(定数3)の14・32%で、衆院選の58・74%に比べ44・42ポイントダウンした。同区では無所属新人と4党の公認計5人が争い、自民現職▽無所属新人▽みんな新人の順で当選。民主新人は最下位だった。衆院選で同市は、3区の小泉俊明氏に加え、比例でも同市出身の2候補が当選し盛り上がったが、県議選では党支持層がみんなや無所属に流れたとみられる。
このほか水戸、守谷の2市で、40ポイント以上減らし、つくば市でも38・98ポイント落ち込んだ。水戸、つくばの2市区は、自民が民主より2人多い4人、3人をそれぞれ擁立したことも影響しているが、民主が2候補を擁立した日立、土浦、筑西でも20ポイント以上減らした。土浦、筑西では自民より候補者が1人多かったが、自民の得票率に及ばなかった。
ひたちなか市では31・59ポイント減少し、現職が落選。同じく現職が落選した那珂市では19・44ポイント減だった。
一方の自民は、無投票当選した6区を除く25区のうち、18区で衆院選時より得票率が増加。民主に比べ複数擁立しているケースが多いため単純比較はできないが、党の支持が上向いていることが分かる。ただ、取手市区では衆院選時の38・67%から10ポイント以上低い28・39ポイントとなっており、みんなの党の票は自民の支持基盤にも一部浸透しているようだ。【鈴木敬子】
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■民主候補が得た得票率の比較■
衆院選 県議選
水戸市区* 59.18 15.43(▼43.75)
日立市区* 62.97 38.18(▼24.79)
土浦市区* 54.42 34.26(▼20.16)
古河市区 36.46 27.65(▼ 8.81)
竜ケ崎市区 58.83 25.69(▼33.14)
常総市区 30.34 29.41(▼ 0.93)
常陸太田市区 36.22 19.45(▼16.77)
北茨城市区 56.84 39.53(▼17.31)
取手市区 58.74 14.32(▼44.42)
牛久市区 61.76 25.71(▼36.05)
つくば市区 54.51 15.53(▼38.98)
ひたちなか市区 52.01 20.42(▼31.59)
守谷市区 60.51 16.90(▼43.61)
那珂市区 48.40 28.96(▼19.44)
筑西市区* 53.46 27.13(▼26.33)
行方市区 44.56 8.74(▼35.82)
つくばみらい市区 53.56 30.30(▼23.26)
東茨城郡南部区 45.71 15.10(▼30.61)
那珂郡区 50.76 31.98(▼18.78)
稲敷郡北部区 52.58 35.34(▼17.24)
注)単位は%。衆院選得票率は、民主が推薦・公認を擁立した20区の選挙区単位で再計算した。*の県議選得票率は候補2人の得票数を合算
毎日新聞 2010年12月15日 地方版