“絶滅”のクニマス 生息確認
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“絶滅”のクニマス 生息確認

12月15日 12時29分 twitterでつぶやく(クリックするとNHKサイトを離れます)

70年ほど前に絶滅したとされていた淡水魚の「クニマス」が、山梨県の湖に生き残っていたことが、京都大学の研究グループなどの調査で確認されました。

「クニマス」は、かつて秋田県の田沢湖にだけ生息していた淡水魚で、湖の近くで行われた工事のためにそれまでとは異なる水が流れ込むようになった影響などから、およそ70年前に絶滅したとされていました。ところが、ことし3月から4月にかけて山梨県の富士五湖の一つ、西湖で捕獲された中に、「クニマス」と似た黒い体の魚が見つかり、京都大学総合博物館の中坊徹次教授の研究グループなどが調査を進めていました。その結果、消化器官やえらの形、それに卵を抱く時期の特徴が一致することなどから、「クニマス」だと確認されたということです。中坊教授によりますと、田沢湖でクニマスが絶滅する前の昭和10年、クニマスの卵10万個を西湖に運んで放流した記録があり、そのときの卵がふ化して繁殖を繰り返したものが生き残ったと考えられるということです。中坊教授は「絶滅した魚が見つかったことは奇跡的で、大変驚いた。クニマスは謎が多く、学術的にもこれほど興味深い魚はいない。クニマスの保護に向けた取り組みを考える必要がある」と話しています。