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2002年12月18日
株式会社ジャパンエナジー

燃料電池用水素の貯蔵・供給技術に関する共同研究の実施について

   

  1. 当社(本社:東京都港区虎ノ門二丁目,社長:高萩光紀)は,今般,燃料電池用の水素を貯蔵・供給する技術に関して,北海道大学 触媒化学研究センターの市川 勝 教授と共同研究を開始いたしました。

  2. 燃料電池にその燃料である水素を容易に貯蔵・供給する方法として有機ハイドライドが注目されています。有機ハイドライドは,水素を有機化合物と反応(水素化反応)させて液体化した物質で,触媒を介することで容易に水素だけを取り出して供給することができます。定置用,車上搭載用,モバイル用の燃料電池に応用可能で,二酸化炭素排出を伴わない画期的な燃料電池用液体燃料です。有機ハイドライドから水素を取り出したあとの液体は,再度リサイクルして使用することができます。

  3. 本研究の目的は,石油系有機ハイドライドを利用した水素貯蔵・供給技術の実用化に向けて開発するものです。本年度中に固体高分子型燃料電池を搭載した実証試験機による評価試験を開始し,石油系有機ハイドライドの選択や触媒の耐久性等のデータを収集する予定です。

  4. 市川教授は,この有機ハイドライドの分野において,実証化も含めて独自の技術を保有されており,当社の石油系芳香族(アロマ)製品がその実用化を推進する材料となりうることから,今般,共同研究を実施することとなった次第です。

  5. 今回利用する有機ハイドライドは,アルキルナフタレン系・アルキルベンゼン系石油製品と水素を反応させたもので,他の水素貯蔵・供給方法に比べても,"重量・体積あたりの水素含有率が高い","反応温度が低い","二酸化炭素が発生しない"等の利点があります。また現在主に検討されている有機ハイドライドの中でも,ベンゼンやナフタレンを用いる場合に比べ,安全性や流動性において優位であります。さらに,タンカー,タンクローリー,SSなど従来の石油燃料供給インフラを利用することができ,他の水素供給・貯蔵システムに対して,より現実的なシステムでかつ安価に水素を供給することが可能になるものと考えています。

  6. こうしたことから,当社では,今回の共同研究を,製油所での水素製造から,安全な水素輸送,水素ステーションでの燃料電池車への水素供給や定置型燃料電池への水素供給等,一貫した水素事業参入への足掛かりとなるものと期待しております。

【参考資料】有機ハイドライドを利用した水素の輸送・供給システムと当社の事業イメージ(PDF)