クリスマスを前に、虎党には、たまらないプレゼントだ。あの伝説の助っ人セシル・フィルダーの息子、プリンス・フィルダー内野手(26)=ブルワーズ=が、将来の日本球界入りを熱望した。MLBアンバサダーとして来日したプリンスは15日、東京・江東区の南砂中学校を訪問して生徒たちと交流して将来の夢を披露。父譲りのパワフルな打撃を引っさげて親子二代でタテジマに身を包む!?
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注目発言は、生徒との質疑応答コーナーで飛び出した。
「日本で野球をやりたいですか」
素朴な問いかけにプリンスは笑顔で答えた。「ぜひ、やりたい。日本でプレーしたら楽しそう。子供たちを連れてきてプレーできたらいいね。自分のキャリアのどこかで考えられたらいいね」。衝撃プランに生徒たちはどよめいた。
ブルワーズで07年には50本塁打を放ち、親子二代の50本塁打を達成し、本塁打王に輝いた。09年には141打点をマークして打点王も獲得。今季は32本塁打、83打点にとどまったが、メジャーを代表する選手の一人であるのは間違いない。そんなプリンスが将来の日本球界入りを熱望となれば、タテジマを着てほしいと願うのは虎党の一致した思いだろう。
父は阪神で1シーズンを過ごした後、メジャーで2年連続2冠と実力を発揮した。日本でプレーするならそんな父と同じ阪神か?との報道陣からの問いには「もちろん」と即答しつつも、「今の段階では他のチームを除外したりしたくはない」と慎重に言葉を選んだが、それでも夢は広がる。
気になる時期については「もう少し先、もっと長くアメリカでプレーをしてからだね」。チームの顔として活躍するプリンスは、まだ26歳の働き盛り。メジャーでさらにキャリアを積んで、第二の野球人生を考える心づもりのようだ。
今回はMLBのアンバサダーとして野球を広めるために来日した。180センチ、122キロの巨体、丸太のようなたくましい腕にはタトゥー。そんな迫力の容姿に最初は遠慮気味だった生徒たちも、鉢巻きを締めて和太鼓に挑戦し、野球部員たちには技術だけでなく、プレッシャー克服法などのメンタル面まで気さくに伝授する姿に、すっかり魅了された様子。
父が阪神に在籍した1989年に日本で野球を始め、その時以来の日本で将来の夢を語ったのも何かの縁。いつの日か、親子二代で虎党を魅了してほしい。