釜山少女暴行殺害:判決めぐり論争(下)

 釜山地域のある弁護士は、「重罰主義の米国の場合、個人の犯罪については個人が責任を負うものと定めており、呵責のない判決を下す。これからすると、今回の判決は残念な部分がある」と話した。また別の法曹関係者は、「犯罪に対する社会と家族の責任の範囲と、科学的精神鑑定に対して論議を呼ぶ可能性がある」と述べた。

 検察のある幹部は「キム被告の犯行は、国家や社会の価値と存立できない水準に達している。裁判部は、大法院(最高裁判所に相当)でもないのに、死刑判決の基準をうかつに示した」と話した。

 チョンイン弁護士事務所のパク弁護士は、「無期懲役は重い刑罰だが、キム被告のような犯罪者が釈放された場合、過去の習性が再発し、犯罪を繰り返す恐れが高い」と主張した。パク弁護士は01年、釜山地方法院(地方裁判所に相当)の部長判事を務めていた際、主婦を監禁・性的暴行を加えた罪で起訴されたキム被告の事件を担当し、1審の裁判長を務めた。パク弁護士は当時、懲役12年の判決を下したが、控訴審では懲役8年となった。

 検察は「被告人に懲役10年以上の判決が下された場合、量刑不当を理由に提起する検察の上告は受け入れられない」という大法院の判例があるが、上告することを前向きに検討している。

 しかし、人権的な面から死刑だけは避けたいとする控訴審裁判部の苦心がうかがえるとともに、法に従って裁判を進めた結果による判決という見解も少なくない。

釜山=権慶勲(クォン・ギョンフン)記者

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

このページのトップに戻る