政府の厳しい緊縮政策に対し国民の反発が続いているギリシャで、15日、労働組合によるゼネストと大規模なデモが再び行われ、一部のデモ隊が暴徒化して警官隊と衝突しました。
深刻な財政危機に陥っているギリシャでは、政府が年金や公務員の給与の削減などを盛り込んだ緊縮政策を打ち出して、財政の立て直しを進めています。緊縮政策への国民の反発は大きく、15日、労働組合の呼びかけで再びゼネストが行われ、首都アテネでは2万人が参加する大規模なデモも行われました。一部のデモ隊は暴徒化して、市内のホテルに放火したり警官隊に投石したりするなどの暴力行為を行い、警察も催涙ガスを発射して応酬しました。さらに、暴徒化した参加者は、国会近くで前政権の閣僚を務めたこともある国会議員を取り囲み、口論の末に殴りかかってけがを負わせる場面もありました。また、ゼネストによってバスや鉄道がストップしたほか、病院では職員が不足し、さらにジャーナリストもデモに参加したため、テレビの放送も出ない事態となりました。ギリシャ政府は、緊急融資を受けているEU=ヨーロッパ連合などから抜本的な経済対策を求められており、緊縮政策の実行に伴って、今後、国民の反発がさらに激しくなることも予想されています。