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【世界の街から】

ソウル 友好が包み隠す歴史

2010年12月15日

 ソウル中心部にある朝鮮王朝の王宮、景福宮を数年ぶりに参観した。今回は観光客といっしょに、日本語ガイドさんについて回ってみた。正殿や祭事を執り行った建物など、ガイドさんは約四十分間流ちょうな日本語で案内して歩いた。

 ひとつ気が付いたことがあった。李朝末期の一八九五年、王妃だった閔妃(ミンピ)が宮内で当時の駐韓公使、三浦梧楼の指示で日本軍人らに殺害された事件について、ガイドさんは触れなかった。景福宮の欠かせない歴史だ。

 同宮の敷地内に旧朝鮮総督府の建物が国立中央博物館として残っていた十数年前、閔妃受難の場所で、「日本の蛮行」をガイドさんが批判するのを、日本人観光客が複雑な表情で聞いている場面に遭遇したことがある。

 総督府の建物が消えソウルの街が日本人観光客であふれる今、王妃暗殺に関する説明はやめたのだろうか。次回は、韓国語や英語の案内を聞いてみようと思う。(城内康伸)

 

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