記事入力 : 2010/12/16 10:25:36
お粗末な防空訓練に不満続出(下)
「どこに逃げればいいの?」
病院や大学がある街でも状況は同じだった。ソウル・汝矣島の聖母病院では午後1時から2-3回、民防衛訓練の案内放送が流れたが、実際に午後2時から訓練が始まっても特にこれといった規制や誘導はなかった。同病院の安全チーム関係者は「有事の際にも病院は本来、最も安全な場所。来院者に対しても『病院の中にさえいれば大丈夫』と説明した」と語った。訓練時間に、西大門区で交通量の多い交差点、新村ロータリーに居合わせたキム・ヨンワンさん(26)も、「放送では『待避せよ』と騒々しかったが、普段とあまり違わない」と言う。
ソウル中心部の世宗路交差点では、警察官ら誘導要員が配置され、訓練の体を成していたが、ドライバーを車から降ろし、待避所に移動させるという消防防災庁の方針はあまり守られていなかった。
そうした一方で、この日政府が「特別待避訓練」の場所と通知した市庁駅や清涼里駅などの7駅では、地下鉄利用客らが防毒マスクの着用法を学んだほか、京畿道坡州市金村洞では中央119救助隊など5機関が参加する化学兵器攻撃対応特訓も行われた。行政安全部の孟亨奎(メン・ヒョンギュ)長官が参観した京畿道高陽市のプルン地区でも、待避所に待避した住民らが防毒マスク着用法を学び、心肺蘇生術の実習を行った。
この日、ソウル・光化門にいたキム・ヨンサムさん(36)は、「なぜ民防衛訓練をするのか分からない。先日、あのようなこと(延坪島砲撃)があったから、『展示のための訓練』をしているのでは」と批判的だった。
金成謨(キム・ソンモ)記者
朴国熙(パク・ククヒ)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版
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